毎度おなじみ、頼まれてもないのにマヨルカの家庭料理をご紹介するコーナー、「3分でできないマヨルカクッキング」のお時間です。
今回のテーマは杏のコカ。

へぇ。でもあれね、あなたたち杏のコンポートとか保存してるじゃないですか。

でしょ?まぁ、生杏使った方が美味しいんですけどね。

コンポート甘すぎてアレなんで、このコカ、プルーンやらイチジクやらアレンジ自在ですので、お好みの果物で作ってくださいまし。
今回は、友人が勧めてくれた緑のプルーンで作ってみましたよ。
で、このコカという代物。ケーキであったり、野菜やらを乗せたサクサクしたパイ状のものであったり、パンであったりと、なんだか良くわからん代物でして。

紛らわしいんですよ。
元々の語源は、オランダ語のKokから来てるみたいなんですけどね。英語のCake(ケーキ)と同じ語源を持つらしいんですけどね。
何、野菜乗せとんねん。
コカ食べる?って聞かれて「うん!」とケーキを想像して思いっきり返事したら、ピーマンてんこ盛りのやつ出てきたりするじゃないですか。
もうこっちの口の中の混乱ぶりを、どうにかして欲しいですよね。
こっちは食後のコーヒーまで想定しとるっちゅーんよ。

はい。と言うことで、いつものように不平不満ではじまりましたマヨルカクッキング。
杏のコカはいかに?

せからしか。
マヨルカの定番ケーキ「杏のコカ」coca d’albercocのレシピ
マヨルカでは杏を使ったケーキやらお菓子を、どこのパティスリーでも見かけるんですね。
マヨルカの定番中のド定番なのが杏。
マヨルカ名物のエンサイマダやなんかに乗ってるのもあったりして、じゅわーっと果汁が染み出す感じが、何ともこう好き嫌いが別れるところですね。
田中の個人的な好みとしては、断然生の杏を使った方が美味しいです。
コンポートを使うと、じゅわーっと染み出す感がなく、あの缶詰の桃を齧ったような。まぁ、好みの問題です。
では、材料から
マヨルカのケーキ杏のコカ材料
薄力粉・・・160g
砂糖・・・125g
卵・・・4つ
バター・・・70g
サラダ油(オリーブオイル)・・・60g
牛乳・・・80g
ベーキングパウダー・・・10g
杏(プルーンなど)・・・適量
あ?今回はマヨルカ定番のラードを使っておりませんね。
用意する道具は泡だて器にボール2つ。25X21cmの深めのバットでございます。
油はサラダ油の方が軽い仕上がりになりますけど、なんかオリーブオイル使ってます。
砂糖もグラニュー糖8:黒糖2にしたり、牛乳は低脂肪にしたりと、少し気を使ってるんですけども、もうそこはお好みで。

まぁね。だったら食べなきゃいいんだよね・・・知ってる。
今回は、友人オススメの緑のプルーンを使ってみました。
で、名前なんだっけか?
おフランスでは美味しいと超有名で、えっと・・・ま、いっか。

こちらのスーパーではReina Claudia(クラウディア女王)って名前で売ってました。誰やねん。
市場やスーパーで売ってる時期は、物凄く短かったので来年も忘れずにゲットじゃ。
一個放置して、緑色に変化があるかどうか観察してみたんですけど、熟れすぎても緑のまま。
青りんごみたいな感じなんですかね。知らんけど。

マヨルカのケーキのコカの作り方
それでは作っていきましょうかね。
とにかく、しっかり混ぜ合わせちゃって大丈夫。失敗知らずのケーキです。
下準備:
- バターを室温に戻して柔らかくしておく
- 杏やプルーンをぱっかんと2つに割って、種を取り除いておく
- バットにラード塗って粉をはたいておく(クッキングシートで代用可)
- オーブンを180度に予熱しておく
はい。普通のケーキの下準備と似たようなもんですね。
では、作って参りましょうか。
1.卵白をしっかり泡立てる。ボールを下に向けて落ちてこなかったらOK。
2.卵黄と砂糖をもったりするまで泡立てる。白っぽくなるまで混ぜてください。
卵白をひっくり返す時は、そーっとそーっとやってください。落ちてきたら大惨事です。
だいたい、落ちて来ません。

3.柔らかくしておいたバターを入れて、さらにしっかり泡立て。
4.油・牛乳を入れてさらに泡立て。
5.粉類を振るって入れてしっかり混ぜる。泡だて器のままでOK。
6.卵白を混ぜ合わせる。一気に入れちゃってもOK。
粉類、卵白入れても泡だて器の低速で混ぜちゃって大丈夫です。もう、しっかり混ぜちゃってください。
粉入れたときは、最初に手動でざっくり混ぜてから低速で。粉が飛び散る可能性大ですね。

7.バットに流し込み、杏(プルーン)を並べる。
8.180度のオーブンで40分焼き上げます。
プルーンは大きいんで、9個並べてみましたが、杏だったらもうちょい乗せられますね。
断面を上に向けるのがポイントですよ。
なんかこう、沢山の人から見られているようで、なんだかアレですね。この絵面。
妖怪、目目連を彷彿とさせますね。あ、目目連(もくもくれん)は、悪いことはしないんで大丈夫ですよ。
え?知らない?鳥山石燕の今昔百鬼拾遺に出てくる、障子に沢山目が現れるアレですよ。アレ。
人を驚かすことに快感を感じるタイプの妖怪ですね。


違うって、いるんだって妖怪。

はぁ?一緒にしないでください。UFOとかいませんから。
はい。焼き上がり。って、プルーン沈んどるやんか。


うん。ケーキ類のコカは、だいたい粉砂糖が上からぶっかけられております。
さらに甘い。あ、このレシピもマヨルカおばあ通常のものより少し甘さ控えめですよー。
旬の果物をまぁ適当に乗せてですねぇ、アレンジを楽しんでみてください。
しっかりしたバターが効いた生地なんで、甘酸っぱい系の果物が合いますよね。
あ、やっぱり杏がいいわけ?
