ロスコン・デ・レイエス(Roscón de Reyes)。
ロスコン・デ・レジェスとも言うのでしょうかね?
スペインのクリスマスっつーか、東方の三賢人の日(公現祭:1月6日)に食べられるパンっつーかお菓子?なのでございます。
ロスコン・デ・レイエス(Roscón de Reyes)のRoscónは大きなわっか。Reyesは王様たち。
歴史史上初のドーナツとも言われてますがね。知らんけど。
ま、マヨルカでは全く一般的ではないんですけども、作ったもん勝ち!と言うことで、作りましたよ。ロスコン。
あ、そうね。
スペインのクリスマスは長~いのでございます。
キリストさんの生誕から、東方の三賢人がキリストさんの生誕を祝って、産後間もないマリアさんと生後間もないキリストさんを訪ねるところまでが、クリスマス。
豪華なお祝いの品々を持って来たんで、どうぞ、どうぞ。お入りください。って感じに田中はなるかとは思いますけどね。
金の塊持ってこられたら、そりゃ本物かどうか齧らんないかんでしょう。
あ、また話ずれたがな。
ってことで、今回はスペインの新年(まだクリスマス)を彩るパンなの?ロスコン・デ・レジェスのレシピでございます!
日本にないようなもんを省き、失敗が少ないと思われるレシピに仕上げております。
スペインのパーティ気分をどうじょ。ご一緒に。
今回のお題目
スペインのクリスマスの終わりはロスコン・デ・レジェスで運試し
へい。こちら義姉作。
友人用に3個も焼いてましたけどね。このお人よしが。
このロスコン・デ・レジェスでございますが、その起源はスペインではなくってですね、その歴史はめっさ昔にさかのぼるのでございます。
あ、それは長くなりそうなんで、気力があったら後でご紹介させていただきまする。
あるんです。ここに。
で、何でロスコン・デ・レイエスで運試しかって言うと、ガレット・デ・ロワとおんなじ理由。
あ?そっちのんが有名くない?
で、起源とかも同じような感じ。というかルーツは一緒。
うん。任務完了!
ロスコン・デ・レジェスの中には何かしらが入っている
先に、言いなや!
このパン、わっか状になってますよね?上に何かしら甘そうなものが乗ってますよね?
で、最近ではロスコンに生クリーム、チョコクリーム、カスタードクリーム、カベリョ・デ・アンヘル(天使の毛みたいなジャム)が挟まれておるのもあるんですね。
そんでもって、絶対に中に入ってるもの。知らんで噛んだら歯、かける。
陶器でできた小さい人形(ソルプレサ)やら、エンドウ豆が一個入ってるんですよ。
ソルプレサは見つからなかったんで、フランスのフェーブ。
こんな感じのですな。
ロスコン・デ・レジェスは、家族や友人などで切り分けて食べるんですけどもね、自分のロスコンに人形(または豆)が入っていた人は、その日王様になれちゃうんですね。
ロスコンは、紙でできた王冠と一緒に売られてることが多いんですけどもね、人形引いた人はそれをかぶるという罰ゲームが待ってるわけですよ。
ま、スペイン人は喜んでかぶりますけどね。
それでもって、おまけ。人形引いた王様は、ロスコン代を払うっていうオチまでついてるわけですよ。
王様、ごちになります。
ルールも色々あるみたいで、人形とマメが一緒に入ってるバージョンは、人形=王様、マメ=支払い。
ってパターンもあるらしいですよ。
義姉はロスコンに人形と豆の両方入れてましたけどね。あんた作ったし、豆当たった人、どうなんの?材料費持ち?
っと和んだところで、ロスコン・デ・レジェスのレシピ行ってみましょうか。
あぁ、いいさ。つかみ失敗。
ロスコン・デ・レジェスのできるだけ簡単・失敗なしレシピ
はい。手抜き大好き田中です。
今回も、面倒なことは一切なしよ。元種を作ったり、オレンジの花水を入れたりしなーい。
そこらへんにあるものでできるかも?なレシピでございます。
材料 直径28㎝ 10人前くらい?
~パン生地~
強力粉 400g
砂糖 100g
塩 少々2gくらい
牛乳 100g(ぬるくする)
ぬるま湯 50g
バター 70g
卵 1個
生イースト 20g(ドライイースト8g)
オレンジかレモン 1個(皮のすりおろし)
~トッピング~
ドレンチェリー・アンゼリカ・オレンジピールなどの果物砂糖漬け
あとはお好みで。アーモンドなど。
グラニュー糖に少量水を入れたもの
えー。こんな感じです。これなら、日本でも手に入るかと思います。
香りを出したい場合には、牛乳を80gにして、ラム酒を20gにしてみてください。
今回は、ココアクリームを挟みました。分量は生クリーム250g・砂糖25g・ココア8gで作ってます。
お好みで挟んだり、挟まなかったり、別のクリームを挟んだり、挟まなかったりして楽しんでください。
ロスコン、基本的にはオレンジの香りなんですけどもね。日本だと無農薬オレンジ手に入れるの、難しいでしょ?
なので、レモンでもOK!
水は、オレンジの花を浸しておいたものを使ったりするんですけども、そう都合よく、ないですよね?
もう、レモンの皮入れるだけで大丈夫です。
ロスコン・デ・レジェス、実はあんまり好きじゃないんですよね。
え?じゃ作るなって?まぁまぁ、お気をお鎮めになって。
これね、結構パサパサ、またはどっしりしてらっしゃるものが多いんですよ。
そして、スーパーは5€くらいから、パン屋さんやバルなんかだと12€~と、好きでもないのに手を出すのはちょっと・・・なお値段。
マヨルカじゃ、あんまり食べないしね。
今回は、基本は同じような感じで、ちょっと重めのブリオッシュ的な感じに仕上がっております。
うん、そうね。カロリー的にもね。正月太り、万歳。
本格的に作りたいあ・な・た
ロスコン・デ・レジェスは、Agua de azahar(オレンジの花エッセンス?)ってのを使います。
スペインではスーパーとかでも売ってるんですけども、日本で見つけるのは困難。
このオレンジの花水、作り方は結構簡単でして、オレンジの花を摘んで乾燥させ、それを水に浸ければOK。
オレンジのドライフラワーにミネラルウォーターを注いで、一晩放置。綺麗に濾せば完成でございます。
分量は、オレンジのドライフラワー5gに、ミネラルウォーター50ml程度です。
ロスコン・デ・レジェスの作り方
パン生地の材料を、ホームベーカリーにぶち込んで、捏ねていただきます。
私は手捏ね派よ!と言う頑張り屋さんの場合は、小麦粉300gの真ん中に穴をあけ、その中に水分とイースト、柔らかくしたバター、卵を入れて崩しながら混ぜ、粉を足しながら捏ねてくださいませ。
一次発酵はなしで、形成していきます。発酵させるレシピもありますが、なしでもOKです。
生地の真ん中に穴をあけて、手でぐーっと広げていってください。
ロスコン・デ・レジェスにクリームを挟まない場合は、この時に陶器の人形やソラマメ(乾燥)をぐいーっと押し込んで見えなくしてください。
隠すのです。そう、ぐいーっと。
で、この時、穴がつぶれないように、耐熱の瓶の表面に油を塗ったものを突っ込むと、失敗しないんですねぇ。
義姉伝授の方法でございます。
この瓶の中には、お水を少量いれておいてください。乾燥を防げます。
オーブン凄いでかい人は、穴大き目に作れば塞がらなくって大丈夫なんですけどね。
瓶のサイズは「ごはんですよ」では小さいですね。美味しいですけどね。
この状態で発酵させていくわけですね。
暖かい所で、1時間以上かけて発酵させていきます。冬、ですよね?寒いですよね?
なので、オーブンを最低温度に設定して、その中に放り込んじゃってください。
発酵が終わったら、表面に溶き卵(分量外)を塗って、上にお好きなものを乗せていきます。
あ、田中発酵前に卵塗っちゃったよ・・・もう、乗せちゃえ。
と言うか、ロスコン・デ・レジェスって切り分けてたべますよね?
生地に人形やら入れちゃった場合ですよ、切り分けるときに人形のど真ん中をブッスリやって「あっ。」って微妙な空気出しちゃうと、周りにも残念感が漂いません?
なので、生地に入れた場合は、人形がある上にまずトッピングを乗せる。そこ、切るなよサインですね。
前フリ違うから。
あとは製作者もわからくなるように、同じように具材を乗せていくのがベストロスコン!ですな。
絶対自分が当てる!って製作者は、自分にわかるように印をつけておいてください。
色んなロスコン・デ・レジェスがありますが、おおむね果物の砂糖漬けが乗ってますね。
スペインでは一般的に、赤やら緑、白やらのカボチャの砂糖漬けが乗ってます。ダイヤモンドにルビー、サファイヤ、王様の宝石のイメージですな。
ま、甘いんですけどね。本物乗せたロスコン、誰かくれませんかね?
グラニュー糖に水を少しだけ入れて、塊にしやすくして、上に振りかけます。
あれ?発酵前にこのサイズ。家のオーブン入らなくね?
焼いたら丸じゃなくて、長四角になったりしね?
ま、いっか。
オーブン小さめな方は、分量を二分の一くらいにするか、ロスコンを2個作っちゃってください。
200℃に温めておいたオーブンで、20~25分焼いてきます。瓶の水はそのままで。
砂糖とバター多めなので、焦げに気を付けてくださいね。底が危ないです。
前フリ違うからね。じじい。
あとは焦げ色直前!ってところで、瓶をささーっと抜いて焼けば、うまいこと内側にも焼き色が付きますよ。
ってことで完成!ロスコン・デ・レジェス!もどきの元祖クリーム挟まないバージョン。
ロスコン・デ・レジェスにクリーム挟む派?
今回は、豪華にクリームでも挟んでカロリーアップしてみましょうか。
ま、豆入れるの忘れてたってだけなんですけどね。
ロスコン・デ・レジェスが完全に冷えてから、真ん中をぱっくり割ります。
大きめの包丁で、さっくり切っていってください。
表面に近い、見えちゃうところは、搾り袋を使って・・・中はもう適当で。
で、人形やら豆を忍ばせておいてください。
いや、待てよ?人形やら豆入れると、誤飲や歯の損壊を免れない子供や老人が、周りにいるな?
田中、豆を出したり入れたりしつつ、やっぱりアーモンドを5つほど、むぎゅーっと入れておきました。
ってことで、なんちゃってロスコン・デ・レジェスのクリーム挟みバージョン完成。
くれぐれも、思い切り齧らないようにご注意ください。歯、持って行かれます。
あ?やっぱり気づいた?
ロスコン・デ・レジェスの起源って?
はい。現在スペインでは、1月6日の公現祭の(もしくは5日)に、ロスコン・デ・レジェスを食べるという習慣があるんですね。
この日は、東方の三賢人がイエスさんの元へ到着した日。
スペインでは伝統的に、この日に子供たちにプレゼントを渡す習慣がございます。
現在では、サンタクロースも来るという、何とも出費の激しさに拍車をかける年末年始になっておりますが、元々はこの日。
三賢人が贈り物を持ってイエスを訪れたことに由来しております。
うん。確か、家畜の内臓って国もあった気が・・・
そうね、ジャガイモと内臓を炭で料理するわけでさーね。
いや、そんな部屋中にぶちまけてあるわけじゃ・・・ねぇ。
で、ロスコン・デ・レジェスの起源はと言うと、まぁよくある諸説あるってやつです。
最も有力なのは、ローマ時代のサートゥルナーリア祭って言う、無礼講祭り。
主人と奴隷が入れ替わって、1年よく働いてくれてありがとうね、じゃ、今日だけ無礼講。入れ替わっちゃう?祭りです。
この時に、ドライフルーツとハチミツ入りの丸いパンが食べられてたらしいんですわ。
で、その中にソラマメが1個入ってましてね、この時も「王様だーれだ?」をしてたわけです。
この豆制度が導入されたのが、紀元前3世紀あたりらしいですね。
キリスト教の布教によって、この異教徒のお祭り騒ぎは忘れ去られて行ったんですけども、キリスト教会は、この「お祝いのためのお菓子」と公現祭をミックスさせていったとか。
スペインのロスコンの歴史は結構古いんですけど、フェリペ5世がロスコンの中に金貨を入れるシステムを導入したとかしないとか。
いやいや、ルイ15世の宮廷シェフだったとか。まぁ、どっちでもええがな。
樋口カッター。
現在スペインでは、豆がソルプレサ(sorpresas)と言う贈り物に代わっております。
陶器やセラミックで作られた小さな人形だったんですけど、色々なオブジェだったり、パン屋さんがお客さんの依頼に応じて、中身を変えるってなこともアリでして。
一般的には、今でも王様の人形が入ってますよ。
それでは、皆様ご一緒にロスコン・デ・レジェスでスペインの新春運試し、いかがでしょうか?
そこは王様だーれだ?やろ?じじい。