海外でもTKG(卵かけご飯)食べたいか?!
田中はめちゃめちゃ食べたい!!生卵、飲みたい!!


はい。こちらマヨネーズの発祥の地のお隣の島、マヨルカ島からお送りしております流浪のウェブサイト「マヨルカくる?」でございます。
あれね、マヨルカの「マヨ」がマヨネーズの「マヨ」と混同されておりまして、よく発祥の地って誤説がありますが、発祥の地はお隣のメノルカ島です。
そのお話は後でするとして、今回は本場のアリオリを原始的な方法で作ってみたわけなのでございます。
で、ですよ。日本では安心安全に生卵を食べられるわけじゃないですか?
しかしですよ、海外ではそうは問屋が卸さないわけでして、生卵を食べるという行為は常に危険と隣り合わせ。
マヨネーズや進化したアリオリって、生卵を使うわけでして、作る方もですよかなり神経を使うんですよね~。
食べた後から翌2日くらいまで、天然(旦那)の様子を随時確認せんなならんわけですよ。(田中はお腹壊さないんで大丈夫)

というわけでございまして、今回は本場のアリオリのレシピと、超原始的な作り方、失敗しないマヨネーズの作り方、海外でも比較的安全に生卵を食べる方法をご紹介してまいります。
なんやごちゃごちゃ書いてしまったので、とりあえず目次でも見ていただければ幸いです。

今回のお題目
本場のアリオリのレシピと絶対失敗しない古典的な乳鉢での作り方
えー。アリオリですけども、ブレンダーを使うとちゃちゃっとできてしまうんですけども、今回は家にある年季の入った乳鉢と乳棒を使用しまして、作ってみたいと思います。

ん?何となく。


アリオリの材料
アリオリの材料ですけども、基本はニンニクと油さえあればOKです。
しかしながら、たぶん想像されているものはマヨネーズチックなニンニク風味のアリオリソースではないかと思われますので、今回はそちらで。
現代チックなアリオリの材料
卵黄(全卵でも):1個
ニンニク:1~2片
オリーブオイル(サラダ油):100㏄(全卵の場合は200㏄)
塩:少々
レモン汁(白ワインビネガーでも):1/2個分
えー。こんな感じです。
オリーブオイルを使うと、かなり味がきつくなってしまうので、お好みで。オリーブオイルとサラダ油半々でもいいかもですね。
ニンニクですけども、マイルドな味に仕上げたい場合は、数十秒レンジでチンしてください。
で、本日のちょっとしたメイン。生卵。
今回は、海外でも比較的安全?にマヨネーズを作れる方法として、低温殺菌を施しております。その方法は後程。

アリオリの作り方 伝統的に乳鉢で作ってみよう
もう一回言いますけど、ブレンダーでやれば一瞬です。
では、アリオリの作り方をば。
乳鉢にニンニクをいれて潰す。ある程度潰れたら塩を加えて潰す。
卵黄(全卵)を加え、白っぽくなるまでしっかり混ぜる。
油を少しずつ加えて混ぜる。これを油がなくなるまで繰り返す。
レモン汁を加え、混ぜたら完成。
生卵を使用しておりますんで、冷蔵庫で保管。作ったその日に消費してください。
こちらが、アリオリの作り方をまとめたビデオでございます。
もう一回言いますけど、ブレンダーでやる場合は全部の材料をぶち込んで、ブレンダーをゆっくりと持ち上げるようにして混ぜれば完成です。

マヨネーズを科学する~乳化を失敗しないコツ
はい。大それた見出しになっておりますが、基本算数ができない残念な人が書きますんで大目に見てください。
マヨネーズのまろやかな口あたりは、乳化という本来混ざり合わない「水」と「油」を混ぜる働きによって得られておるわけです。
この「乳化」にかかわってくるのが卵黄。卵黄に含まれるレシチンという成分が、水と油の仲を取り持つ「乳化剤」として働いておるわけなんです。
このレシチンなんですけども、16〜18℃で乳化作用が存分に発揮されるんですね。なので、冷蔵庫から出したばかりの卵では乳化作用が弱まってしまいます。
また、結構卵とお酢(レモン)を先に混ぜるってレシピが多いんですけども、これ結構失敗のもと。
油の粒子が細かいほど乳化が安定しますんで、先に卵と油を混ぜる方が失敗しないわけです。

で、アリオリに関して言えば、ニンニクも乳化作用があるんですよね。なので、アリオリは失敗しづらい。
今回ご紹介したアリオリのレシピは、この乳化の特性を十分に活かしたものなわけですが、
- 卵黄のみ使用(レシチン多め)
- 使用前に卵を低温殺菌している(温度高め)
- ニンニクが入っている(乳化効果アップ)
- 卵と油を先に混ぜる(乳化が安定)
お分かりいただけましたでしょうか?ふふっ。

乳化のメカニズムを利用した新型マヨネーズ
マヨルカでは、卵の代わりに牛乳やスープで茹でたジャガイモを使ったりして、マヨネーズやアリオリを作ったりします。
牛乳は水の中に油が分散した乳濁液なんですね。これも、マヨネーズと同じように水の中に油が小さな乳化粒子となっているW/O(ウォーターインオイル)という乳化物なわけです。
牛乳を使ってマヨネーズらしきものを作るときは、乳鉢では無理。ブレンダーなどの撹拌力の強いものを使ってください。
牛乳で作ると、結構さらさらした粘度の低いやつができますよ。
油も、バターやらフレーバーオイルを使ってつくるのも面白いです。
アリオリとは一体何なんでしょうか?
アリオリですけども、本来はニンニクとオリーブオイルのみで作られております。
なもんで、allioli(alioli)=アイ all(ニンニク)+と i+ オリoli(油)と命名されておる次第です。
現在では、卵やお酢・レモンが加えられて、まろやかな口当たりに仕上がっているものも、アリオリと呼ばれております。
そうそう。スペイン語ではニンニクはアホですが、こちらマヨルカを含めますバレアレス諸島やカタルーニャ地方では、ニンニクはアイと呼ばれておるんですね。
それがこう、アイ(ALL)・イ(I)のLとIがリンキングして、アリオリという発音になってます。
先ほどもお伝えしたように、ニンニクには乳化する力があるんですね。ニンニクと油を根気よく混ぜて乳化させたものが、本来のアリオリでございます。
地中海西部のソースでして、バレアレス諸島やカタロニア、バレンシアだけでなく、シチリア島やらプロヴァンス地方などでも作られております。

で、ニンニクとオリーブオイルだけで乳化させるのって、結構大変なんですよね。そんなわけで、卵を入れて乳化しやすくしたのが今のアリオリソースになっておる感じです。
でもですよ。そんもんアリオリちゃうわ!お前なんか卵アリオリじゃ!いや、ニンニクマヨネーズじゃ!というアリオリを名乗ることに異を唱える反対派も少なからずなのです。

マヨネーズの発祥の地はメノルカ島!マヨルカ島と違います
ましてやおフランスではありません。
Mahón(マオン)ってチーズをご存じ?

メノルカ島で作られている産地指定を受けたチーズなんですけども、その名前はメノルカ島の主都Maó(Mahón)から来ております。
このマオ(マオン)ですが、カルタゴの将軍ハンニバルの兄弟マゴンが彼の名前を付けたという起源がございます。
このマオンが、マヨネーズ(mahonesa(mayonesa))の語源になっとるわけですね。
メノルカ島もですよ、マヨルカ島と同じように海上の拠点として最適な位置にあるもんで、色んな所から攻撃され侵略されてきた歴史があるんです。
カルタゴ、ローマ、ノルマンディ、イスラム、カリフなどの攻撃を受けですよ、アラゴン王に征服されたのが1287年。
時代は遡って1708年、イギリスの統治を受けることになるんですね。その後色々ありまして、イギリスとフランスの7年戦争にも巻き込まれるわけです。
その時にフランス人シェフが母国にマヨネーズを持ち帰り、「マオンのソース」としてパリで発表したんですな。その後、マヨネーズ(仏:mayonnaise)と呼ばれるようになったというわけです。
で、マヨネーズを最初に作ったのは誰?!という、マヨネーズ発祥の地を巡る論争が、スペインとおフランスで繰り広げられておるわけなんですけどもね。
というのもですね、アリオリって最初はニンニクとオリーブオイルで作られていたでしょ?
で、それに卵を入れてニンニクを取り除いて、今のようなマヨネーズにしたのは誰かってのが論争のお題のようでして。
フランス人は、アリオリに卵入れたのは我々ざーます。と主張しておるわけでございます。
でもですね、実はフランスがメノルカにご滞在した期間の前に、「alliolibo」というアリオリからニンニクを取り除いて卵を入れて作ったソースがあったんですね。
と言うことで、マヨネーズ発祥の地はメノルカ島でございます。

海外で安全なマヨネーズを作る方法~海外で生卵を食べる方法
映画「ロッキー」見ました?
シルベスター・スタローンが演じるロッキー・バルボアがですよ、アポロとのタイトルマッチに向けてトレーニング中に、生卵5個を4秒で飲み干すってシーンがあるんですけどもね。
子供ながらに、おっちゃん、醤油・・・と思った記憶がありますけども。

何でこのシーンがヤバいのか、日本人にとってみれば謎なんですけども、当時のアメリカで生卵を食べるなんてのは正気の沙汰ではなかったわけなんです。
衛生的に超問題アリ。サルモネラ菌でお腹を壊しちゃぁ大変。卵は火を通して食べるのが常識。
まぁ、生卵5つ飲みは日本人にとっても、何してんねん?って感じですけどもね。
現在アメリカでは、Pasteurized Egg(低温殺菌卵)なるものがあって、これは生食が可能になっとります。
で、生卵食べられないなんて!卵の衛生管理がずさんなんじゃね?!と言うことではなく、ただ単に生卵を食べる習慣がないのでそんな消毒しなくてもねぇ・・・って感じなんだと思いますけども。
でもさ、マヨネーズだとかメレンゲを使うお菓子だとか、生で使う場合だってありますわな・・・

お酢と言えばミツカングループの実験によると、サルモネラ菌は酢酸濃度2.5%、約10分で殺菌できるそうです。(※酢酸濃度0.1%=市販食酢を約40倍に希釈した溶液の酢酸濃度)
お酢、すげーなー。
しかしながら、お酢やレモンを使うマヨネーズでも、腹痛被害があることはお忘れなく。お酢の分量も重要なのかなぁと思います。
例えば、キューピーマヨネーズさんの分量は、植物油70%、卵黄15%、醸造酢12%、食塩3%、その他調味料だと思われますんで、参考にしてみるのもいいかと。

そうね。美味しいわな。

何で海外で生卵を食べちゃダメなわけ?
その多くは、サルモネラ菌汚染によるものです。
これ、卵が新鮮だとか古いだとかは全く関係がないわけでして、逆に隣のおばあから貰った産みたてほやほや卵の方がヤバかったりする場合もあるんですな。

スペインに来て思ったのが、スーパーで売られてる卵の賞味期限がやたら長いなぁと言うことなんですけども、日本の卵の賞味期限ってアレ、生で食べられる期限なんですって。
なもんで、生食対応でないこちらでは、卵の賞味期限が長いんじゃないかと思う次第です。
で、サルモネラ菌なんですけども、その多くは殻に付着しているんですわ。じゃ、買ってきたら卵をアルコール消毒したり洗剤でゴシゴシ洗ったらいいんじゃね?と思ってしまうんですが、これNG。
卵の殻には小さな穴が開いておりまして、洗ったままにしておくとバリア機能がなくなって、そこから雑菌が入り込んだりしちゃうらしいんですわ。
なので、卵は使用する直前にしっかり洗う。殻を扱ったら手洗い必須。ひび割れた卵は絶対に使わないのは鉄則ですね。
でも、まれに卵の中もサルモネラ菌に侵されている場合もあるらしいんです。こればかりは運としか言いようがないですな。

卵の管理方法
生卵を管理する時に注意したいことをまとめまーす。
- 卵は購入後すぐに冷蔵庫で保管
- 尖った方を下に向けて置く
- 他の食品と接触しないようにする
- 冷蔵庫での保管場所はドアポケットを避ける
- 割れたりヒビが入っている卵は使わない
- 使う直前に洗う
産みたて卵の場合ですけども、表面を乾いた布やブラシで綺麗にしてから冷蔵庫で保管がいいですな。
洗ってしまうと、卵の殻にある小さな穴から雑菌が中に入ってしまうので、卵を割る直前に洗うのがベスト。
あとは、雌鶏たちとの格闘をいかに制するかです。

サルモネラ菌をやっつけるにはどうすればいいのか?
サルモネラ菌は、30℃から40℃でめちゃめちゃ増殖するらしいんですね。
なもんで、夏場の生卵の管理は十分注意せなあかんわけです。
で、こちらの表を見ていただきたいわけですが、
0~8℃ | 細菌は、増殖しないが死なない。 |
8~15℃ | 細菌は、徐々に増殖する。 |
15~30℃ | 細菌は、かなり増殖する。 |
30~38℃ | 細菌は、激しく増殖する。 |
38~40℃ | 細菌は、かなり増殖する。 |
40~60℃ | 細菌は、徐々に増殖する。 |
60℃ | 一部の細菌は、5~10分で死滅する。 |
100℃ | 芽胞菌の芽胞以外は数秒で死滅する。 |
たまご博物館よりお借りしました。
60℃以上で加熱してやると、一網打尽なわけです。
海外で生卵にチャレンジするには?
でですよ。卵の黄身が固まる温度は70℃。白身が固まり始めるのが60℃、完全に固まるには70℃が必要なんですね。
ってことは、60℃~65℃で卵を10分加熱してやると、生卵に近いものが食べられるのではないかと。
と言っても、殻がありますんで、卵の中の温度を60℃~65℃でキープせなあかんわけです。
で、まずは沸騰したお湯を生卵にかける。で、低温で殺菌という具合はいかがでしょうか?
今回、61℃~64℃で13分くらい低温加熱したものがこちら。
くわしいやり方は、先ほどの動画を見ていただければと思います。
まぁ、サルモネラ菌がこれで除去されたって顕微鏡で確認したわけではございませんので、あくまでも自己責任でお願い致します。

あ?日本人の食に対する貪欲さを舐めてもらったら困りますよ。

でもま、子供やお年寄り、体が弱ってる状態の時は、やっぱり気を付けたいですな。

TKGにお酢ねぇ・・・

いや、腹痛無理。