ガスパチョねぇ。
うん。マヨルカ島ではあんまり飲まないんですけどもね、家の天然(旦那)もご子息もそんなに好きじゃないみたいでしてね、田中家でもあんまり作らない代物なんですけどもね。
あ、そう?
そう言うあなたたちも飲まないでしょ?
即答かよ。
それ、アルコール入ってますよね?と言うか、そのものですよね?
でね。作る側としては、火使わないし、野菜たっぷりとれるし、週一くらいで出したいメニューなんですけどもね。
そこでうーんと考えた田中。くっそ。美味しくしてやればいいんだろ!?と。
いやいやいやいや。普通に美味しかったですよ?普通に。
野菜ジュース万歳!な方には、普通に売ってるものよりもおいしいと思うんですけども。
と言うことで、スペイン料理!でおなじみのガスパチョ。でも、実際は飲まれている地域は限られてるよん。なガスパチョを徹底的にいじってみます。
今回のお題目
ガスパチョがまずい!それは配合がヤバいから
でですよ。ガスパチョとは、何からできているのか?という部分が重要なのでございます。
基本はトマト。
トマトは完熟で味が濃くて甘いものがベストでございます。
後は夏野菜、キュウリ、ピーマンですな。
そこに玉ねぎとニンニクがアクセントで入ってきます。
そして、ガスパチョを食事たらしめるパンが入っておるのでございます。
調味料は塩とお酢、エクストラバージンオイル。
お酢の重要な役割は、味付けだけでなく、野菜の栄養素が壊れないようにするためでもあるんですね。
ここは、後からご紹介するとして。
で、ですよ。この中に、どうしても食べられないものや、嫌いな野菜が入っていると、生でガスパチョを飲むには無理があるかと思われるんでございます。
生なので、野菜の味がダイレクト!に感じられるんですね。なので、ピーマン大嫌いだ!!という方は、イマイチ受け入れがたい代物になってしまうと思います。
生の玉ねぎやニンニクも、子供には辛く感じますしね。お酢が嫌いな子もいますわな。
そこがガスパチョがまずい!と感じる要因なのではと思われます。
そういう頑固な方は置いといて。
生野菜大好き!な方へのガスパチョ本格アンダルシアレシピ
まずは、ガスパチョの本場アンダルシア(あ、マヨルカちゃうわ。でも、いっか。)のレシピをご紹介してみましょうかね。
田中はこれで十分うまいんですけどもねぇ。
もうね、マヨルカ人丸出しですね。こういう人たちは、ほったらかしで行ってみましょう!
材料
完熟トマト 1キロ
ピーマン 1本(80gくらい?)
きゅうり 1本(100gくらい?)
新玉ねぎ 半分
ニンニク 1片
パン 50g
塩 小さじ1
お酢(シェリービネガーまたは白ワインビネガー) 30ml
エキストラバージンオリーブオイル 50ml
冷水 250ml
基本の材料はこんな感じです。
ガスパチョ材料の解説
出典:Mentta
トマトはperaという品種を使うんですけども、こっちではトマトソースを作るのにも使われる、味が濃くて肉厚なタイプのものです。
ピーマンはitaliano。日本のピーマンよりも少しだけ肉厚で、苦みは少なくクセがないタイプのピーマンを使います。
新鮮なメスを選べば、日本のピーマンでも苦みが少ないかと思われます。
あ、メス?ピーマンにはオスとメスがありましてね。お尻が4つ以上に割れてるやつがメスでございます。
詳しくはこちらで
きゅうりは日本の物よりも、太いので種の部分も多く水分が多いですかね。
玉ねぎは苦みが少ない新玉ねぎを使うといいです。白ネギでも代用可でございます。
パンですけどもね。ガスパチョをゴクゴクいきたい場合は、入れなくても大丈夫です。
パンを入れるのは、昔からのしきたりで、パンを捨てないために前日の硬くなったパンを入れていたって言われております。
余っていても、菓子パンや総菜パンを入れるのはNGです。
オリーブオイルは、ちょっと苦みが舌に残るタイプがオススメ。飲んだ時に、むせるようなタイプですな。
オイルと同様に、お酢も味を決めるポイントになるかと思います。シェリービネガーや白ワインビネガーを使いますけども、バルサミコ酢もアリでございます。
ガスパチョ基本の作り方
野菜をきれいに洗って水気をしっかりふき取り、切ってがーッと粉砕するんですけども、トマトの皮は剥かなくて大丈夫です。
こっちのキュウリは鋼鉄の鎧かよ?ってくらい皮が硬いんですな。なので田中は皮をむいちゃいましたけど、剥かなくてOK。
ピーマンはヘタと種取ってくださいな。
まずは、切った野菜とパン、塩、お酢を入れてがーッとやっていきます。パワーの強いブレンダーやミキサーがいいですね。
5分以上がーッと細かく滑らかになるまで撹拌していきます。
さらにオイルを加えて撹拌。
ドロッドロのやつを飲みたい場合は、これでOK!飲むっつーか食べる感じですね。
後は、冷水を加えて好きな濃度になるまでのばしていきます。
すぐ飲みたい!って場合は、冷水を氷に置き換えてもOKでございます。(パワーが強いマシンをお持ちの場合)
限りなく滑らかになっている場合は、このままでも全然大丈夫なんですけども、レストランで食べたガスパチョがいい!って場合は、濾します。濾してください。
これを、冷蔵庫でキンキンに冷やしておきます。
器にそそぐ前にもうひと混ぜ。ピーマンとトマトのみじん切りを散らして、オリーブオイルをぐるーっと回しかければ、はい定番のガスパチョでございます。
ガスパチョ嫌いが好きになるかもしれないアイディア
アンダルシアの基本的なガスパチョをご紹介しましたけど、これ結構クセがあるんですよね。
でも、この酸味と多少の辛味がクソ暑い夏には丁度良くって、体に染みる気がしてなりませぬ。アンダルシア、マヨルカより暑いしねぇ。
しかし、ここで終わってはガスパチョを週一で提供することができなくなる・・・
ってことで、アレンジです。
アレンジと言っても、ガスパチョも各家庭で色んなレシピがありますのでね。
ガスパチョの味を濃くしたいのよね
ガスパチョの味を濃くするには、カットした野菜にお酢、塩、オイルをかけて放置しておきます。
朝準備して昼過ぎまで冷蔵庫で放置するだけでOKです。一晩漬けて置くとより一層濃くなりますよ。
と言うことは、前日同じ材料でサラダを作って、残ったやつでガスパチョ・・・
ガスパチョの辛味・苦みが無理
ガスパチョのクセの原因は玉ねぎとニンニク。
塩もみして水にさらしておくと、辛さは消えますけども、玉ねぎを入れないって選択もアリです。実際に現地でも入れないご家庭も少なくないかと。
あとは、野菜をお酢、塩、オイルに漬けた後、ニンニクを取り出しちゃいます。ニンニクの香りはほのかにしますけど、辛味は消えますね。
ニンニクを入れる場合は、芽の部分を取り除いてくださいねー。
ピーマンの代わりに、イタリアンパセリを使っている古いレシピもあるそうです。
入れてみると、結構なハーブテイストになりましたけども、お好みで。入れすぎ厳禁。
ガスパチョの酸味が嫌だ
美味しいお酢とオイルが決め手なガスパチョですけども、酸味が苦手って場合は、お酢の分量を少し減らすのもアリかと。
パンを入れると、酸味が多少軽減されますんで、パンは入れた方がいいかと思われます。
アンダルシア地方の伝統的なパン、アルファカルは、小麦粉・サワー種・塩で作られるシンプルなパンなので、うーん・・・菓子パンは不可!
パンの代わりにナッツを入れるレシピもありますよー。
きゅうりとトマトの食べ合わせ
キュウリがトマトのビタミンCを破壊するらしいって言われてるらしいんですけどもね。
キュウリに含まれているアスコルビン酸ってのが、ビタミンCを酸化させちゃうらしいんですわ。
でも、お酢を使うと、アスコルビン酸の働きを弱めることができるっちゅー仕組みらしいんですね。
あ、でも。お腹の中に入ると、そのビタミンCが元に戻ることが判明したらしいんですね。なので、特に問題ないらしいと言うことでございます。
「一緒に食べても、お酢を使わなくても何も問題ない」という結論でございます。
ガスパチョの色が赤くないと悲しい
普通にガスパチョを作ると、そんな赤くないんですよね。ピンクというか、何か薄っ!って色になると思います。
真っ赤なガスパチョがいいなら、ピーマンを赤ピーマンに変えるのもアリ。甘みも増しますし、苦みも減りますな。
トマトの皮をむいちゃうと、色も薄くなってしまいます。
舌ざわりがザラザラなガスパチョは嫌だ
ガスパチョを作るときに、野菜を十分に細かく滑らかになるまで撹拌することが重要なんですけども、油を入れるときブレンダーで撹拌しながら、徐々に加えていくとより一層滑らかに仕上がります。
濾すのは何だかもったいないので(面倒くさいとも言う)、家ではやらないんですけども、濾すと非常に滑らかなガスパチョになります。
白いガスパチョって何?
出典:WikimediaCommons
ガスパチョって、色んな地方で作られておるんですけども、アレンジも豊富なんですね。
スイカだったりイチゴだったり、サクランボやアボカドなんてのもアリなんですけども、中でもオススメなのが白いガスパチョ(ajo blanco)。
材料はパン、アーモンド、ニンニク、お酢、オイル、塩、水です。
これは、アンダルシア地方・エストレマドゥーラ地方で飲まれております。
- パン(白い部分のみ) 150g
- アーモンド(皮をむいたもの) 200g
- ニンニク 2片
- エキストラバージンオリーブオイル 100ml
- 白ワインビネガー 35ml
- 塩
- 水 ~1000ml
作り方は、パンを水に浸して柔らかくして、水とオイル以外の材料を細かくなるまで撹拌します。
ブレンダーを回しながら、オイルを少しずつ加えて乳化させていきます。良く冷やして完成。
生ハムのみじん切りや白ブドウ、メロンなんかを浮かべる感じですね。
ガスパチョって一体何?ルーツを探る
ガスパチョと言えばトマトベースの冷たいスープですよね?
アンダルシア地方の農民たちが、ささっと水分と栄養補給をするために飲まれていたんですけれども、もともとはトマトが入ってなかったってご存じですか?
はいはい。それ以前のガスパチョは、水、オイル、お酢に浸したパンでできてたんです。
これに、ニンニクやアーモンドを加えるバージョンもあったんですけどもね、アンダルシアでは8世紀にはこれが飲まれていたって記録が残っとります。
今のようなトマトやピーマンが入ったバージョンになったのは、16世紀からですな。
ガスパチョと言っても、ラ・マンチャ地方で言うと、温かいシチュー、ガスパチョス・マンチェゴスって料理が一般的。
ガリアノスっていう名前でドン・キホーテにも登場しとります。
お腹減ってたら、まぁ美味しく感じますわな。って、最後にそのセリフを持ってきたらあかんやろ?
マヨルカの夏!と言えばなサラダ、トロンポのレシピはこちらです。田中も、こっちの方が好き。