スペインの治安、悪いですよー。
そりゃ、日本より治安がいい所ってそうそうないんで、日本を出ちゃうと、ぐっと気を引き締めていないと、とんでもない犯罪に出くわしてしまうかもしれません。
地中海の宝石と呼ばれるスペインの離島マヨルカに住む、田中がお送りするリアルなスペイン治安事情。
スペイン旅行の前に、しかっと確認しておいてくださいね。
今回は、人種、移民に対する発言等ございますが、何を隠そう私もアジア人の移民でございます。
日本人の安全を守るための発言でして、差別や悪意は特にありません。
今回のお題目
スペインの治安は世界的に見てどうなの?
世界平和度指数ってご存知です?
その国がどれだけ平和であるかってことを表す指標なんですけども、対外戦・内戦の数や犯罪の件数、軍人の数や近隣国との関係、政治の安定なんかも項目に含まれてるんですね。
その国に滞在するのに、どのくらい不安要素があるのかってのがわかるわけなんです。
2018年の世界平和度指数ランキングで、日本は第9位。
そですよ。
1位:アイスランド
国独自の軍事力を持っていない、首都でも家や車に鍵をかける習慣がないなど超平和。
2位:ニュージーランド
人より羊の数が多い。凶悪犯罪は少ないものの、置き引きやスリとかはある。
3位:オーストリア
ヨーロッパNO.1治安のいい国。でも観光地では置き引きやスリに気を付けて。
4位ポルトガル・5位デンマーク・6位カナダ・7位チェコ8位シンガポール
で、9位が日本です。
ゴミが比較的少なく美しい街中、美しい自然、夜道を女性一人で歩いても犯罪が少ないこと、モラルが高い国民性などは、世界中から高い評価を受けています。
自動販売機が街中に普通に設置されているのも、治安の良さを物語っています。
治安がいい国とされていても、自動販売機が設置できない国もありますからね。
で、スペインはと言うと、30位。
確かに。でもまぁ、お隣の国おフランスは61位、ラテン友達イタリアは38位なので、ボチボチの順位です。
ちなみに
日本 | スペイン | |
平和度 | 9位 | 30位 |
幸福度 | 58位 | 30位 |
男女平等度 | 110位 | 29位 |
報道の自由度 | 67位 | 29位 |
国際競争力 | 5位 | 26位 |
観光競争力 | 4位 | 1位 |
インターネット普及率 | 20位 | 29位 |
携帯電話契約数 | 7位 | 27位 |
参照:世界経済のネタ帳
ってな感じになっております。
スペインは観光競争力が136か国中1位なんですね。観光大国スペイン。
世界安全な都市ランキングでは、大阪3位、東京7位、マドリッド149位、バルセロナ190位となっております。(参照:CEOWorld Magagine)
1位はUAEのアブダビ、2位はカタールのドーハでございます。(全338都市中)
へぇ。そうでございます。
マドリード・バルセロナの危険観光名所はこちらで紹介しています。
要注意!狙われてるかもしれないスペイン観光スポット
スペインの旅危険レベル
外務省は、海外渡航に際して色々な安全情報を出してくれてるんですが、スペインの危険レベルってどのくらいなんでしょうね?
危険レベル
レベル1:十分注意してください
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
というように、いろんな危険レベルがあるんですけども、スペインはこの危険勧告は出ていません。
欧州でいうと、クロアチア・マケドニア・ブルガリア・ベラルーシの一部、ロシア・ウクライナなどがレベル1です。
詳しくは、外務省海外安全ホームページで確認してください。
3か月未満の渡航で、外務省からのお知らせが必要な場合は「たびレジ」に登録すると、最新の安全情報が無料で届きますよ。
はい。スペインは世界的にみると、危険レベルは高くないですね。
スペインの一般犯罪統計
2017年の一般犯罪統計では、一般犯罪件数は204万5,785件で、前年度より1.8%の増加です。
内訳はというと、殺人:308件・強盗・脅迫:61,763件・傷害:18,086件・置き引き・すり等:712,398件・侵入窃盗:105,099件・車両窃盗:42,519件・薬物犯罪:12,958件となっています。
スペインと日本の犯罪データを比較すると、強盗(日本の約64倍)・性的暴行(日本の約3倍)というのが目立ちます。
その他の犯罪は、日本とあまり変わらないようですね。
置き引きやスリなどは、届け出ていない可能性もあるので、観光客が日本の3倍のスペインは、データよりももう少し多いと思います。
スペインでのテロの危険性
ヨーロッパでは近年テロが頻発しています。
2019年に入ってからは、3月にオランダのユトレヒトのと路面電車内で銃の乱射事件が発生、オランダ政府はテロ警戒レベルを最高に引き上げました。
スペインでは2017年8月17日・18日、バルセロナ市内等で死者16名、負傷者130名を超える車両突入テロが発生しています。
スペイン国内のイスラム過激派によるテロは、2004年3月11日マドリッドで発生した列車爆破テロ以来です。このテロでは死者191名、負傷者1800名以上と、多くの尊い命が失われています。
バルセロナ市内等のテロ事件後、ISILまたはその支持者がテロ事件の実行犯を称賛、ISILと戦う有志国連合からスペインが脱退しない限り、スペインで更なるテロを実行するとの動画も公開されました。
スペイン国内のテロ警戒レベルは、2015年6月にレベル4(高い脅威)に引き上げられました。(全5段階中の2番目レベル)
今現在でも、レベル4のままテロ警戒及び治安強化が継続されています。
過去に様々なテロ事件を行ってきた「バスク祖国と自由(ETA)」は、2018年5月に組織を解体、政治的な活動が完了したとされています。
スペインでは、日本人・日本権益を標的としたテロは把握されていません。
近年では、単独犯によるテロ、市民や観光客が多く集まる公共施設などでのテロが多く、政府もテロの発生を予測することが難しくなっています。
このように、テロはどこでも起こりうるものです。外務省による情報などをしっかり確認して、身の安全を確保してください。
スペインで日本人観光客が合う可能性のある犯罪、その対処法はこちらにまとめました。
旅行前に、ぜひ一読されてください。
スペイン旅行前にチェック!
マヨルカ在住民が感じるリアルなスペインの治安
実際にスペインで起こっている事件っていうのが、日本人の常識をはるかに超えているんですよね。
例えば、空き家に勝手に入り込んで住んでしまう移民。
空き家と言ってもオーナーがいて管理していたり、旅行などで家を空けていたというような感じなんです。
そこに勝手に住んでしまう。警察による強制退去はできず、オーナーは弁護士に頼んで移民と交渉。沢山の費用と年月をかけて、ようやく退去となるんです。
私が住んでいるマヨルカの田舎の村でも、去年そのような事件が起こりました。
オーナーのおばあが驚いて南アメリカ系移民に声をかけると、殴られ負傷。顔に縫い傷を作った痛々しい姿を見ました。
犯人はもう、人ではないですね。
知人が給料を貰って帰る途中、袋を被されて暴行を受け、給料を盗まれたのがつい半年前。
友人宅に留守だからと、家の前に収穫した野菜が入った籠をぶら下げて帰ると、10分もしないうちに誰かが盗む。
田舎の小さな村なのに、年に1、2度は泥棒被害にあった家が出る。
教会から物が盗まれる。
家は、玄関前に置いていた巨大な植木鉢が夜中に盗まれました。どうやって?
スペインでは家に鍵をかけないなんて、あり得ません。家の中に誰かいてもです。
車の中に物を置いて離れることはできません。
緩い移民政策がスペインを圧迫している
昨年、地中海経由で北部アフリカから不法入国する移民が急増しました。
鉄条網を破り、酸性物質や汚物入りペットボトルを投げて国境警察を撃退、鉄条網を破ってセウタに不法入国する映像が、スペイン国民に衝撃を与えました。
移民の労働力が、スペイン経済を支えていると言われています。
Caixa Catalunyaによると、スペインの過去10年間の経済成長は、平均で3.2%は移民によるものだそうで、移民の提供する安価で豊富な労働力がそれを支えているのだとか。
スペインの過去10年間の人口増加率は10.7%。ユーロ圏では、アイルランドに次いで第2位なんですね。でも、スペインは少子化がかなり進んでいる国なんです。
そうなんです。この人口増加率の80%近くは、外国人が占めているんです。
スペイン政府は移民(イスラム系)に対して、保護が手厚く、経済的援助をしています。
スペイン人の少子化が進む中、イスラム系移民の出生率はどんどん上がっています。
このままいけば、移民がスペイン人の人口を超す日も遠くないのかもしれません。
そして、昔からスペインで問題となっているのがジプシー。主に北インドのロマ族で、移動民族です。
スペインアンダルシア地方の踊りフラメンコは、このジプシーの踊りや歌の影響が加わっているんですけども、このジプシー、スペインではかなり煙たがられている存在です。
ヨーロッパ諸国の中でも、スペインはこのロマ族の人口が多いんですね。
観光地などで、しつこく物を売ってきたり、写真を撮ろうものならモデル代を要求されたりと、まぁ色々ありまして、気を付けたい人々なんです。
また、移民のコミュニティはかなり結束が強く、何かトラブルがあればコミュニティの仲間を呼んだり、多くの人に囲まれたりすることもあり得ますので、観光でスペインを訪れている場合は、関わり合いを持たないことが賢明です。
そして、邦人犯罪被害のほとんどは、カタコトのスペイン語で話しかけられたというものです。スペイン人がカタコトのスペイン語を話すとは、考えられませんよね。
全部が移民や不法移民による犯罪では、もちろんありません。
しかし、日本人がスペインを訪れる際には、スペインにはそういう移民事情があるということを覚えていた方がいいです。
日本人に対するスペイン人の反応
スペイン人は、移民でもスペインの文化に適応し、溶け込もうとする者には寛容です。
移民の多くは、独自のコミュニティを持っていて、自分たちの文化を壊そうとはしません。そこが不信感を与える原因にもなっていると思います。
スペインでも都会に行けば、「日本人」という認識はありますし、日本文化が好きなスペイン人もいるかと思います。
田舎ではアジア人はみんな「中国人」扱いです。
話せば「おぉ、日本人か!」と話が弾む場合と、「日本を中国の一部」と思っていて話がかみ合わない人、半々くらいです。日本を中国の一部と思っているのは、移民の率が高いですね。
日本製の電化製品や車も多く見かけるスペインでも、日本に対する知識を持っていない人も多いんですね。
スペインを観光で訪れる場合は、特に意識しなくてもいいと思いますが、観光客は犯罪の標的になる場合が多いですので、気を付けてくださいね。
日本での常識は、海外に行くと通用しないかもしれません。