パンがなければケーキ食べたらいいじゃない。
はい。毎度。マリー・TANAKA・アントワネットでございます。
と言うことでございまして、いつもの田中家の会話からスタートした「3分じゃできないマヨルカクッキング」のお時間です。
今回は、というか今回もアーモンドを使ったマヨルカ伝統のお菓子をご紹介いたしたいと思うんですね。
そして、いつものようにマリアの家に押しかけ、「あんた何ね。また口ばぽかーん開けて、どげんかせんね!」
と罵声を浴びせかけられながらも、マリアレシピを入手してきたわけでございます。
実は今回のレシピは、実に格調高く、実に歴史のあるお菓子なのでして。
その名もGató d'ametlla。マヨルカ原人の間では「Gató(ガト)」と呼ばれ、愛されているアーモンドケーキなんですねぇ。
ガトって、何か聞き覚えがないですか?
じじい、それカトちゃんな。もう、あんたも好きねぇ。
え?あ、そうです、そうです。あのおフランスのガトーと良くにた響きじゃございやせんか?
このGató d'ametlla、おフランスとマヤルキャのお菓子の融合らしく、17世紀から作られている伝統のお菓子なのですね。
おー。おフランスの香り・・・しないなぁ。
で、この語源はおフランスのgâteauから来てるらしいんですねぇ。うーん。ボンソワール。
マヨルカ伝統のアーモンドケーキGató d'ametllaのレシピ
では早速、マリアー!!
材料*24㎝型使用
ローストしてないアーモンド・・・300g
グラニュー糖・・・300g
卵・・・6個
シナモン・レモン・・・お好みで
た、単純。
そして、型が大きくなるにつれて、アーモンド100g・砂糖100g・卵2個を増やす。
そして、型が小さくなるにつれて、アーモンド100g・砂糖100g・卵2個を減らす。
なんとも覚えやすく、田中でもメモなしで暗記できちゃう有難レシピでございます。
では、早速マリアが作ってまいります。
うん。そうよ。ガト・ダ・マトラのレシピ、色々あるんですけど、一番シンプルかつアーモンドの味をがつーんと味わえる幸せなレシピがこちらでございます。
マヨルカアーモンドケーキの作り方
ちょっと面倒なのが、アーモンドを粉砕する、卵白を泡立てるくらいなもんで、あとは楽勝でできちゃいます。
ローストしてないアーモンドが見つからない場合は、アーモンドプードルで代用してもOKです。
1.アーモンドをフードプロセッサーで細かくする。
荒いものから細かいものまで、ずずずいーっとできるように、適当にフードプロセッサーで粉砕してください。
この粗削りな感じが、おフランスを全く感じさせないマヨルカっぽい素朴な味になります。
2.アーモンド、砂糖、卵黄をボールに入れて、お好みでシナモン、レモンの皮のすりおろしを加える。
この時、混ぜ合わせなくてもOK!というか、乾くので混ぜない方がいいらしいです。有難い。
3.しっかり泡立てた卵白を加えて、しっかり混ぜ合わせる。
泡が崩れたら・・・なんて心配はご無用。卵白を一気に入れてゴーっと混ぜます。
4.型に入れて170~180℃のオーブンで焦げ色がつくまで焼く。
型にはあらかじめラードを塗って、強力粉をまぶしておきます。
空気をポンポンとか抜かないよ。そのままオーブンへ突っ込んでやってください。
焼き上がり目安は30分ですが、串を刺してみて中身がついてこなければOK。さらに表面がカリカリになって焦げ色が付くタイミングがベストです。
あ、マヨルカ料理にちょいちょいラードが出てきますけど、今回はバターを代用してもらって結構でございます。
それね、マヨルカのお菓子って焼き時間があってないようなものでして、毎回焼き時間は?って聞いたら、毎回焦げ目ができるまでって言われるわけです。
コール:焼き時間はどうなのさ?!
レスポンス:オーブン見らんね!!
田中、毎回オーブンの前でぼーっとお菓子が膨らむ様子を観察しておる次第なんです。
5.焼きあがったらすぐに床にたたきつける。
これね、マヨルカの民が必ずやる儀式でして。
義母、義姉、マリア、私が知っているすべてのマヨルカ女性が(範囲狭っ)、ケーキが焼きあがるたびに行っている方法なのです。
カルチャーショックったらないですよね。四万十川料理学校のキャシィ塚本先生を彷彿とさせる、ダイナミックかつPTAから抗議の電話がかかりそうな瞬間です。
焼きあがったら、はい、どーん!!
この床へのインパクトが美味しさの秘密かどうかは知りません。
マヨルカアーモンドケーキ実食
このレシピ、かなり甘いです。
お好みでお砂糖の加減を調整してください。田中、脳に軽い衝撃を覚えるくらい、甘いです。
そして、このガト。マヨルカ伝統のアーモンドアイス、グラニザッ・ダ・マトラと一緒に食べるのがマヨルカ流。
一緒に食べると、得も言われぬ甘さ地獄、アーモンドパラダイス、伝統地獄になるわけです。
おいしいんですよ。えぇ。この甘さに慣れると病みつきになるほど、美味しいんですよ。
表面ガリガリ、中はしっとり。これにアーモンドアイスが加わることで、ケーキにアイスがしみ込んで、何ともじゅわーっとホロホロ、そしてガリガリなのです。
さらに、腹持ちのいいアーモンドのお蔭で、夕食いらないくらいお腹が膨れるんですよ。
腹、何個あったら足りるんですか?
しかしながら、マヨルカアーモンドの甘さと香り高さを前頭葉でしっかりと味わえる、何とも素朴で贅沢なケーキです。
あ、そうそう。マヨルカアーモンドは、オレイン酸とリノール酸の含有量が普通のアーモンドの3割増しという最強の健康食品なんですね。
なので、心配いりません。太りません。
太るか太らないかは、まぁ別として、マヨルカのアーモンドは知る人ぞ知る、アーモンド界の最高峰。
その甘さと芳香の強さ、良質な油が特徴で、他に類を見ない一品なんですね。(ここは、本当。)
シンプルなお菓子だからこそ、最高の食材で作って欲しいと田中は切に願うのです。
できれば、マヨルカアーモンドと庭をウロウロしてる放し飼い鶏の卵で作って欲しいんだなぁ。