えー。初めにお伝えしなければならないんですけれども、エンパナーダと言う代物ですが、種類が多すぎてですね。
スペインはもちろん、ポルトガル、キューバやアルゼンチンなどラテンアメリカでも食べられておるわけでして。
まぁ、いわゆるひとつの、パイでございます。
スペインで言うところのエンパナーダは、ガリシアのソレでして、切り分けて食べる大きなパイなのでございます。
今回は便宜上、日本で言う所の「揚げ餃子」みたいなものを「エンパナーダ」と呼んでおりますが、スペインではこれを「エンパナディージャ」と呼んでおります。
はい。しかしながら今回は、みなさんが想像しているだろう「揚げ餃子」みたいなエンパナーダの方をご紹介しようかと思っております。
簡単だし。
と言うことでございまして、エンパナディージャの古典的な具材を詰め詰め、参りましょうか。
今回のお題目
エンパナーダを生地から作ろう!簡単レシピ
エンパナーダは、揚げるのも良しですけども、オーブンで焼いても美味しいんですね。
カロリーもちょっとは抑えられますし、今回はオーブンで焼いていこうと思っております。
と言っても、生地は同じでOKですので、フィニッシュをどちらにするかは、その日の気分でお選びください。
ですね。あれはあれで美味しいです。エブリディ・カレー・ウェルカムな田中は、サモサもウェルカムです。
スペインの古典的なエンパナーダの材料
オーブンで1回で焼けそうな分量にしてみました。20個~25個程度のエンパナーダの材料でございます。
作りやすい分量?エンパナーダ20個分くらい
【生地】
薄力粉:250g
ラード:30g
オリーブオイル:50g
牛乳:80g
塩:小さじ1/2
【具:古典的エンパナーダのやつ】
ツナ缶:2缶(150g程度)
茹で卵:1個~2個
トマトソース:適量(ピューレ・ホールトマトでも)
オリーブ:一握り(田中入れない)
(田中+αな具材)
玉ねぎ:中1個
グリンピース:適量(お好みで)
えー。では材料の解説から。
生地には、ラードとオリーブオイルを使用しましたが、全部オリーブオイルでもOK。全部ラードでもOKでございます。
最近、田中はラードの魅力に取りつかれておりまして、冷蔵庫にラードが入ってなかったら軽いパニック状態に陥るほど使用しております。
ダイナマイト・ボディとお言い!
しかしながら、全ラードだと罪悪感が否めないので、オリーブオイル多めで。
あと牛乳ですけども、ワインでもOKです。あとは、牛乳と水を半々くらいでも大丈夫。
で、古典的な具は、ツナを使います。
田中はべっちゃり食感が苦手なので、グリンピースやら玉ねぎを入れておりますが、ツナ・ゆで卵・トマトソースの組み合わせでOKかと思います。
はい。基本、何でもいいかなぁと。
エンパナーダの作り方
はい。これ、多めに作ったら、焼いたり揚げたりする前に冷凍もできちゃうので、やっべ。多くね?と思ったら、焼かずに冷凍しておいてください。
ちなみに田中家(大人2名+子供1名)では、この分量で作っても足りません。毎回、多めに作りゃよかった・・・と思う次第です。
エンパナーダの生地の作り方
では、エンパナーダの生地から作って参りましょう。
コツは、グルテンが発生しないように、混ぜ過ぎないって感じですかね。
通常の作り方では、油と牛乳、塩を混ぜて粉を加えて混ぜていくんですけども、田中は粉と油から混ぜてまいります。
小麦粉と塩をボールに入れて、ラードとオリーブオイルを加え、ポロポロの状態に致します。
そこに牛乳を3回くらいに分けて加えて混ぜます。全部が均一に混ざるくらいでOK。
ひとまとめにして、ラップでくるみ1時間以上寝かせておいてください。放置。
寝かせておくと、伸ばしやすくなりますんで休ませ大事。何事も、休憩大事。
エンパナーダの中身準備:エンパナディージャ・デ・アトゥン
古典的なエンパナディージャは、つぶしたゆで卵、刻んだオリーブ、ツナを混ぜてトマトソースで和える感じです。
しっとりした感じになります。これを包めばOK。
田中はフライパンで具材をまとめて参ります。
オリーブオイルでみじん切り玉ねぎを水分が飛ぶまで炒めます。グリンピース、ツナ、トマトソースを加えて水分を飛ばしていきます。
トマトソースやピューレの水っぽさ具合で炒める時間を変えてください。
もし、水っぽ過ぎたら小麦粉を入れてまとめればいいかと。
刻んだゆで卵を入れて、塩、胡椒で味を調えます。粗熱を取れば、準備完了!
塩は、フロール・デ・サルのブラックオリーブを使用しております。うまいです。
エンパナーダの包み方
エンパナーダの包み方ですけども、揚げる場合は包んでフォークで周りをくっつけていく感じがおすすめ。
焼く場合はヒダを作ると、サクサク部分が増えておすすめでございます。
生地を2㎜~1㎜に均一に伸ばして、丸形やセルクルで抜いていく方法が綺麗なんですけど、鬱陶しくて仕方がない。
ので、20個に分けて一つずつ伸ばしていきます。餃子の皮を伸ばすより簡単です。
生地を20個に等分して丸めます。
薄く伸ばすんですけど、田中は300μ~500μに伸ばします。
へ?マイクロですけど?ミクロンです。ミクロン。0.3~0.5㎜程度です。
薄い方が美味しいのです。
伸ばした生地の中に具を入れます。入れすぎると包みづらい。入れなさすぎると美味しくない。というせめぎ合いの中で、葛藤してください。
では包みます。
フォークで押しつぶす場合は、結構はがれやすいんで、これでもか!と言うくらいしっかり。しっかりくっつけた、と思った以上にしっかり。
ヒダを作る場合は、最初をちょっと折って端っこをむぎゅ~っと潰し、つぶしたところを持って折り、また潰す。
でしょ?と思って、動画にしてみましたけどね。あー。親切。
詳しいエンパナーダの包み方は、こちらをご覧ください。
これからスペイン料理レシピ動画も、ジャンジャンアップしていこうかなぁとも思っておりますので、チャンネル登録夜露死苦。
へ?誰も気づきませんって。
はい。これを180~190℃のオーブンで30分~40分程焼けば完成!
テラテラした感じが欲しい場合は、焼く前に溶き卵(分量外)を塗ってください。
揚げる場合は、表面がきつね色になるまで揚げてくださいませ。キツネってこんな色ですっけ?
エンパナーダの生地が余っちゃったよ
エンパナーダの生地が余ったら、適当な詰め物をして利用してください。
田中家では、チョコレートを包みます。天然(旦那)とご子息は喜々と喜びます。
チョコレートの場合は、少し温度を上げて心持長めに焼いた方がいいかなぁと。200℃で40分くらいですかね。
逆に具が余った場合は、そのまま食べてください。
で結局、エンパナーダとは
エンパナーダのルーツですけど、スペインに登場したのはアラブ人のスペイン侵略時と言われております。
1520年にカタロニア語で書かれた料理本には、シーフードを詰めたエンパナーダが登場しております。
その語源は「empanar」という動詞なんですけど、日本語にすると「肥沃である」。小麦粉で作られた生地に何かを入れて焼いたり、粉をつけて揚げたりするものを指します。
中に詰め物をして焼いたり揚げたりするものは、全世界に存在している調理法ですよね?
代表的なものだと、イタリアではカルツォーネだったり、ギリシャのフィロ、イギリスのコーニッシュ・パスティ、中東のサモサ、中国では春巻きだったりするわけでございます。
インドのサモサも、もとは中東からやって来たものにインドのスパイスを入れて進化したものなんですね。
スペインでエンパナーダと言えば
Wikipediaよりお借り:De Tamorlan - Trabajo propio
で、スペインでエンパナーダと言えば、四角に伸ばされた2枚の生地に具材を包んで焼いたガリシアのものが一般的。
餃子チックな形のものは、エンパナディージャと呼ばれております。
ガリシアのエンパナーダは、生地にサワー種やイーストを入れて作られるものもあり、種類も色々。
エンパナーダは数日間日持ちがしまして、パイ生地の中でジューシーさをキープできるわけであります。それが重宝されておったわけですね。
中身は、鶏、豚、鳩、チョリソ、イワシ、ヤツメウナギ、レバーやしし唐、玉ねぎなどの野菜などなど。
魚の血液や体液を吸収して生きております。誰や、最初に食べた奴。グロ。美味しい。
でっかいエンパナディージャはこれ!
マヨルカ島にもあるよエンパナーダの派生パナダス・コカロイ
マヨルカで言う所の、エンパナーダはお肉がぎっしり詰まったパナダスという丸形のものでございます。
マヨルカでは一般的にパスクア(イースター)で食べられる料理なんですけども、島民はわりとしょっちゅう食べております。
エンパナディージャと違う点は、調理していない生の肉に味付けをして生地に詰めて焼くんですね。
パイの中で調理されるので、肉も柔らかジューシー。
中身は、魚や野菜を入れてもOK。ベーシックなパナダスは、豚肉・鶏肉・ウサギ肉に白ネギ。プラスグリンピース。
田中はツナ缶をこよなく愛しているので、ツナ・玉ねぎ・グリンピースの組み合わせが好きですけどね。
一方コカロイは、野菜類が中心で、キャベツやフダンソウ(スイスチャード?)、パセリ、カリフラワー、玉ねぎ、トマト、レーズンなどに、ブティファロ(豚の血入りソーセージ)なんかを入れて作られております。
野菜も調理せずにそのままぶち込むので、甘くてジューシー。
生地は、家庭によって違いますけど、小麦粉・ラード・オリーブオイル(ヒマワリ油も)・卵黄・イーストで、塩は入れません。
まぁ、こんな具合にエンパナーダには色々な派生があるとです。
ってなことで、適当にそこらへんに余ってる食材を色々ぶち込んで、試してみてはいかがでしょうか?
そっからやんのかよ。