「なぜ、山に登るのか。そこに、山があるからだ。」
はい。と言うわけで、今回は雪山チックな変わったプリンのレシピをご紹介。
このレシピ、マヨルカ島のポリェンサという美しい村の、カタリナおばあが編み出したレシピでございます。
同じ名前のレシピはバレンシアでもあるみたいなんですけども、Ous a la neu(Huevos nevados)直訳すると、雪の中の卵。
あー。もうね、想像力足りませんよ。この切り立った岩肌と雪稜、ルンゼ。山に愛されたものしか到達できない孤高の世界。
あっ。やべっ。視界が真っ白に・・・
あぁ思い出すなぁ。ツェルマット。
しかもプリンの定義ってないって知ってました?原材料やら製法は関係なく、〇〇プリンって商品名をつけてもいいらしいですよ?
しかしながら、この「変わったプリン」。材料はプリンの代表的原材料である卵・牛乳・砂糖を使用。製法も、卵が加熱によって固まる性質を利用して作られておるわけです。
はい。よく言われます。
と言うことで、今回はマヨルカ島のカタリナおばあの、変わり種プリンレシピでございます。言うたもん勝ち!
変わったプリンのレシピ!OUS A LA NEUで孫気分を味わう
えー。OUS(オウス)はマヨルカ語(カタルーニャ地方全般)で、卵の複数形。NEU(ネウ)は雪でございます。
OUS A LA NEU(オウス・ア・ラ・ネウ)、名前も可愛いでしょ?
このレシピ、マヨルカ島ではポリェンサ(ポレンサ)で、1年中作られているお菓子でございます。
特に、復活祭(パスクア)のために作る家庭も多いわけですが、春は鶏が卵をいっぱい産みますからね。そういう理由もあって、春先に作られることが多いんです。
しつこいわ。
このレシピ、ポレンサの料理人カタリナ・パロウが、彼女の母親のレシピに基づいて編集したものでして、マヨルカではサブタイトルっぽくàvia Catalina(カタリナおばあの)と付いております。
おフランスでもœufs à la neige、îles flottantes(何て読むねん)、フローティングアイランドって名前で同じようなレシピがありますな。
しつこいわ。おフランスさんも雪の卵?(œufs à la neige)言うてはるやん。セボン。
登山家:エドモンド・ヒラリー
変わり種プリンの材料
はい。では、材料から見ていきましょう。
激アマレシピを改良版
牛乳:600g
砂糖:75g
卵:3個
コーンスターチ:大さじ1
エンサイマダ(ビスケット):適量
シナモンスティック
レモンの皮
シナモンパウダー
これね、正式レシピだと、1.5倍~3倍の砂糖が使われております。
甘さに悶絶すること間違いなしなので、甘さ控えめ田中レベルに調整しております。
そんでもって、エンサイマダとありますがマリービスケットに変更可能。ポレンサでは、何も入れないご家庭が多いのだとか。
今回、シナモンスティックはそこら辺に転がってなかったので入れてません。
レモンも熟れてなかったんで、緑のまま利用しております。ライムじゃないよ。
コーンスターチはとろみ用なので、お好みのとろみ具合に調整してください。
登山家:ドット・スキナー
雪山デザートの作り方
はい。山に登ってみたくなったところで、作ってまいりましょう。
卵を黄身と白身に分けて、卵白でメレンゲを作っていきます。
泡だったところで、砂糖を15g加えてさらにキメの細かい、しっかりとしたメレンゲに仕上げます。
牛乳を沸騰ギリギリまで温めて、メレンゲをその中にスプーンですくって落としていきます。
スプーン2本を使うと、やりやすいです。
20秒~30秒したら裏返し。さらに同じくらい加熱します。この写真、ちょっと欲張って入れすぎ。
茹で上がったメレンゲはキッチンペーパーにとって、牛乳っけを取ります。
エンサイマダ(ビスケット)の上に茹でたメレンゲを乗せて、雪を積もらせます。
登山家:ラインホルト・メスナー
さっきの牛乳に、レモンピールとあればシナモンスティックを入れて3~5分ほど煮てから取り出し、香りを移します。
写真、めちゃめちゃ取り忘れたんですけど、卵黄に残りの砂糖、コーンスターチを入れてしっかり混ぜます。
そこに、温めておいた牛乳を100g程度入れて溶かし、濾しながら牛乳の入ってある鍋に注ぎます。
とろみがついてきたら、シナモンスティックを入れてなかった場合のみシナモンパウダーを投入。
積もった雪の上から、温かいままのカスタードソースをぶっかけます。
粗熱が取れたら冷蔵庫へ。
登山家:ガストン・レビュファ
いや、そこは食べとこうや。
冷えた雪山に、お好みでシナモンパウダーを振りかけて完成!
もっとプリンっぽくしたい場合は、コーンスターチ多めで、カラメルソースをかけるのもアリ。(砂糖は減らしたい)
小説家・登山家:深田 久弥
ってなことで、変わったプリンのレシピ作り方動画を配信中。
田中、ぶっちゃけメレンゲが好きではないんですけども、いつものプリンに変化球を付けたい場合にはオススメかと。
口の中でメレンゲがしゅわ~っとですね、雪のように溶けて、カスタードのとろんとした舌ざわり、その後にふんわりとレモンの香りが漂う、マヨルカおばあのちょっとおしゃれなレシピでございます。
経口登山、楽しんでみてはいかがでしょうか?
冒険家:植村直己