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マヨルカ島のエンパナダが美味しい!本場パナダスのレシピ

投稿日:2020年10月4日 更新日:

マヨルカ名物パナダス


どうも、こんにちは。ヘロドトスです。

ベルばあ
脱線やら余談多すぎて怒られるっちゅーやつやな。

今回はですね、マヨルカ島でパスクア(復活祭)の時に必ず食べられる料理、パナダスをご紹介しようかと思っております。

ちょっとツウな方はご存じかと思われます、スペイン料理のエンパナダ。

パナダスはエンパナダの親戚筋にあたる食べ物でして、なにかしらが生地に包まれておる状態のものなんですね。

復活祭(イースター)に食べられるのはもちろん、マヨルカでは1年中どこかしらで見つかるもので、パン屋さんやスーパーなどでも売ってる人気のマヨルカ島のソールフードって感じです。

ソールフード言うたらくさ、ソブラサダやろ。
マリア
ベルばあ
エンサイマダちゃうの?

うるさいですね。パナダスもソールフードでしょ?あなたたちの横やりが入るから、いっつも脱線するんでしょうが?

何かっつったらパナダス食べてるくせに。

トメウじい
トゥネルちゃうの?

各家庭によってレシピも様々、入れる具材も様々で、色んなバリエーションを楽しめるのも魅力。

今回は、我がアルサモラ家母が、改良に改良を重ねて作った生地を、田中がさらにアレンジ。極限までオイルカットされた生地で作るパナダスでございます。

作り方動画もありますので、一緒にどうぞ。

 

マヨルカ島が誇る復活祭の定番パナダスって何だろう?

はい。このパナダス。

スペイン全土はもちろん、南米のスペイン語圏でも食べられているエンパナーダの仲間でございます。

エンパナーダと言えば、小麦粉でできた生地の中に詰め物がされているものです。

ガリシアなどでは円形や四角形の平たいもので、切り分けて食べるタイプのものが有名ですけど、他の地域ではみなさんご存じ、三日月形のものが多いです。

このマヨルカ島のパナダスは、丸くて高さがあるタイプなんですけど、この形のエンパナーダの仲間は主にバレアレス諸島で食べられております。

三日月形のものは、マヨルカではコカロイと呼ばれて中の詰め物は野菜がメイン。パナダスは肉類や魚類がメインといった違いが特徴でございます。

三日月形言うてもくさ、普通のエンパナダとは形が違うと。
マリア

そうね。ヒダが真上に来てて、モヒカンみたいになってますね。

ベルばあ
モヒカン・・な。

 

 

マヨルカのお隣、メノルカ島ではフォルマッジャダやフラオと呼ばれておりまして、豚肉やソブラサダなどに加えてチーズが入っているのが特徴。さすがマオン(Mahón:マオ)チーズの島。

フォルマッジョ(formatge)はチーズばい。
マリア

ってなことで、地域によって形や中身も色々な特色があるわけでございます。

エンパナダについてはこちらで。

 

 

マヨルカのエンパナダ パナダスの特徴は?

パナダスの断面

パナダスの生地は、小麦粉、ラード、植物油、卵、イーストがメインです。家庭によっては卵やイーストを入れなかったり、地域によっては生地に砂糖を入れて甘くしたりもするんです。

甘い生地は主にマヨルカ島の主都、パルマで作られております。

ベルばあ
昔はな、富裕層が砂糖入れとってんで。オレンジ果汁も入れんねん。
トメウじい
当家は代々砂糖使うとるで~。

中身は、肉類だと豚・鶏・ウサギ・羊・ソブラサダ・ベーコン。魚介類だとムッソラ(鮫の仲間)・タコ・コウイカなど。

これに、グリンピース・ネギ・ほうれん草・ジャガイモ・パセリなどの野菜を組み合わせて作られておるわけです。

なので、その組み合わせで色んな味わいを楽しめる、家庭によって色々なレシピがあるというわけです。

うちはコウイカが好いとーと。子羊もうまか。
マリア

うん。確かに、マリアからもらったコウイカのパナダス、美味しかった。コウイカパナダス、おすすめ。

で、エンパナディージャ(エンパナダの小型)は、具材に火を通して包むんですけども、パナダスは生の具材を入れて生地で包みます。

生地の中で蒸し焼きになっているので、ジューシーな感じがたまらないわけです。素材命のマヨルカ料理の良さが、パナダスの中に詰まっておるわけですな。

 

なんで復活祭に食べられるわけ?

キリスト像

復活祭っつーのは、あれですね。キリストさんの受難を記憶するキリスト教の記念日で、四旬節はエルサレムへの入城、最後の晩餐、そして磔刑から復活を記憶する週間ってな感じです。

この期間では、キリスト教圏では食生活も変わってくるわけなんですね。

特に聖金曜日(キリストさんが磔刑になった日)と、灰の水曜日(四旬節の初日)は肉を食べなかったり、断食なんかが行われておるわけです。

トメウじい
禁欲。

この期間中、肉の消費量は落ちるわけですね。

スペインでは、タラを使ったコロッケやフリットなんかの料理が食べられたり、卵を使った料理やデザートも復活祭メニューの代表的なものです。

パナダスが復活祭に食べられる理由は、まだ調査中なのですが、田中が思うに・・・

聖金曜日はスペインでは祝日になっておりまして、マヨルカではこの日にパナダスを作る習慣があります。

肉類をギューッと生地の中に閉じ込めたパナダスは、数日日持ちがするので、2日後の復活祭当日に食べるものとしては最適なんですね。

ベルばあ
ってな。つかみが長すぎんねん。レシピちゃうんかい?
「歴史」テーマで5巻まで神話と伝説ばい。
マリア

ふっ。マヨルカ家庭料理レシピのヘロドトスとお呼び!

ベルばあ
そんなええもんちゃうわ。

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マヨルカ名物パナダスのレシピ

はい。と言うことで、パナダスがマヨルカ島民にとって何なのか。お判りいただけたと思います。

なんもわからん。
マリア

では、パナダスの作り方をご紹介してまいります。

例によって登場するのがラード。残念なくらいにマヨルカ料理に登場するラードですが、やっぱりないと始まらない。

ので、この際ラード発注しちゃってください。

ベルばあ
無責任っちゅー代名詞が似合うなぁ。

 

パナダスの材料

まずは、基本的な生地の材料から。

 

作りやすい分量だと思う?

薄力粉:500g
ラード:125g
植物油:60g
水:125g
卵黄:2個

パナダスの生地は、コカロイと一緒なので、作るときは大量に作るんですよね。

小麦粉1㎏とかで作るんですけども、お試しパナダスだと、この半量でもいいかもですね。

この分量で作ると、生地が結構な油っこさなんですよ。さらに、具材にもオリーブオイルをふりかけまくったり、油っこい具材を使ったりするわけです。

サクサクしてくれるのは有難いんですけど、田中は油取り過ぎると顔にブツブツができてくるので、できるだけ控えたい。

と言うことで、我がアルサモラ家母はパナダス作りの名人なのですが、義母も脂控えめレシピに改善。小麦粉も全粒粉を取り入れるなど、よりヘルシーなものへと進化を遂げたわけです。

そして、さらに田中ができるだけ油控えめ、かつ、サクサクに仕上がる分量に改良したのです。

ベルばあ
あんた、お姑さんに脂がヤバい。無理。って言うたやろ?
こん鬼嫁が。
マリア

いや、結構遠回しにですよ。油ギトギトしてるから、半分しか食べられないって言っただけですよ。

ベルばあ
戦争やな。
トメウじい
王が死ぬか、国が亡ぶか。

ちゃんと最初に、美味しいけどって付けましたよ。

できた姑ばい。
マリア

よりマヨルカチックなパナダスを味わいたい場合は、アレンジ前生地でやってみてください。

 

田中完了版 極限まで油を減らした分量
【パナダスの生地】
薄力粉:300g
ラード:35g
オリーブ油:35g
水:90g
卵黄:1個
生イースト:ひとつまみ

 

【パナダスの具:お肉】
鶏むね肉・豚ロース
グリンピース
玉ねぎ(ネギ)

胡椒
パプリカ
オリーブオイル

 

【パナダスの具:ツナ】
ツナ缶
グリンピース
玉ねぎ
塩・胡椒

パナダスの具ですが、鶏むね、豚ロースなどお好きな肉類でOK。今回は鶏と豚を半々にしております。

田中は脂肪の少ない肉類を、オリーブオイルで和える方が肉臭さも減って好きですが、お好みで。

玉ねぎを使った方がジューシーな仕上がりになるんですけど、一般的には白ネギのみじん切りを使います。

パプリカパウダーは甘いもの・辛いものどちらでもOK。塩はちょっと塩辛いかな?くらいにしておくと、上手にまとまります。

ベルばあ
グリンピースは入れんでもえぇで。

ツナパナダスは、あんまり一般的じゃないんですけど、田中とご子息がツナフリークなので義母のパナダスの定番になりまして・・・

できた姑ばい。
マリア

ツナ缶はオリーブオイル漬けにした方がヘルシーです。油を切り過ぎると、パサパサの仕上がりになるので切り過ぎず。

と言うことで、作ってまいりましょう。

 

パナダスの作り方

まずは、生地を作っていきます。

卵黄、オリーブオイル、ラードをボールに入れ、ぬるま湯に溶かしておいたイースト、ぬるま湯を加えます。

パナダス生地の材料

小麦粉を加えて、全体が混ざるまで捏ねますが、捏ね過ぎず。

パナダス生地

捏ね終わったら、1時間~1時間半、塗れタオルなどを被せて放置しておきます。

パナダスの中身1

その間に中身の具を用意。

肉類を1㎝角程度にカット。粗みじんにしたネギ(玉ねぎ)とグリンピースを加え、塩・胡椒・パプリカで味を付けます。

塩は結構きつめに。オリーブオイルをひと回しして、手で全体をあえておきます。

パナダスの中身2

ツナは程よく油切りして、玉ねぎとグリンピースを加え、塩コショウで味付け。

このレシピには、生地に塩が入っていないので、具は多少塩味を強くしておいてください。

パナダスを作る1

寝かせて置いた生地を丸めます。

通常のパナダスは直径12~15㎝くらいなのですが、今回はミニパナダスで。

パナダス具を詰める

こんな風に生地で器を作って、具を入れていきます。

トメウじい
肉とグリンピースがファンクラス隊形やな。

えぇ。右サイドが弱いんで、強靭な肉たちで固めましょう。

ベルばあ
何言うとんねん。
ファンクラスは古代ギリシアなどで使われた、重装歩兵の密集陣形ばい。
マリア

パナダスに蓋をする

そんでもって、蓋をします。

トメウじい
アスピスで守れ!

これで矢の雨が降っても大丈夫ですな。

アスピス(aspis)は古代ギリシアの楯ばい。
マリア

パナダス蓋を閉じる

生地はできるだけ薄目が美味しいです。市販のものは、結構生地が厚めです。まぁ、好みはありますが、田中は薄目が好きです。

パナダスヒダを作る

ヒダを作ってしっかりと口を閉じていきます。

詳しい作り方は、こちらの動画を見ていただくと、一目瞭然だと思われます。

ベルばあ
チャンネル登録よろしゅうに。

はい。では予熱してあるオーブンへ。

パナダス焼く前

中身が違っている場合は、グリンピースを乗せたり、楊枝でついて印をつけたりします。

トメウじい
クシポスでこう!ブスッと!

楊枝の穴は潰れやすいんで、グリグリとねじ込む!

クシポスは古代ギリシア歩兵の補助武器。短刀ばい。
マリア

通常は180℃のオーブンで50分程度。田中改良生地だと、200℃のオーブンで50分くらいがいいかと。

パナダス焼き上がり

多めに作ったら、焼く前に冷凍保存できます。

焼きあがって冷めても美味しいんですけど、温める場合はレンジの低温でほんの少し温めてもらったらいいかと思います。

オーブンで焼きなおした方がうまか。
マリア

サクサク感が味わえるギリギリのラインまで油を減らしていますんで、これ以上減らしちゃうと困った食感になってしまいます。

まぁ、減らしたと言ってもかなりのカロリーにはなりますんで、夜中に食べるのだけは止めた方がいいかと。

マヨルカ人はこれとソブラサダ、ケリーを持って、旅行に出かけたりします。どんだけ好きやねん。

(*日本国内にはパナダス、ソブラサダは持ち込めません。肉類NG)

ベルばあ
旅行先で食べたなったらどないすんねん?

知らんがな。現地の物食えや。旅の醍醐味やろ?旅行行く前からホームシックですか?!

まぁ、田中も義母から持たされますけどね。

みんな日持ちばすっけんね。
マリア

はい。そんなわけで、マヨルカ名物パナダス。味わってみてはいかがでしょうか?

トメウじい
モロン・ラヴェ(来たりて取れ)。

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