どうも。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテです。
You、君は本気で生きているかい?by ゲーテ
誰がモンキーやねん。

へぇへぇ。知っとりますがな。

はいはい。しておりますがな。
あ、プント・マヨルキン(Punto Mallorquín)とは、マヨルカ刺繍のことでございまして、マヨルカ女性のおたしなみでございます。
マヨルカおばあが生息している住宅では、必ず飾っているのがコレ。
出展:El Taller de Mamá Julia
でありまして、田中の隣人、お馴染みマリアはマヨルカ刺繍のプロフェッショナルと言っても過言でない腕前。
彼女の家はマヨルカ刺繍やら、ハータンガーやらで溢れかえっておるのであります。
田中、こう見えて。いや、見えんけど。
老後はこう、なんかボケないように手仕事をしながら朽ちていきたいと思っておる次第でして。

隣にプロいるし、いっちょやってみる?的な軽いノリで、マリアに教えてもらうことと相成りました。

へいへい。
と言うわけでございまして、今回はマヨルカ刺繍って何?プント・マヨルキン、ええとこどりでお送りします。

マヨルカ刺繍ってどんなの?
英雄とは、終始一貫して自己を集中する人間である。by ボードレール
と言うことでございまして、はい集中。

マヨルカ刺繍は、バレアレス諸島の伝統刺繍でございまして、ヨーロッパ諸国やら地中海沿岸地域の刺繍よりも、ペルシャやインドっぽいディテール感がある刺繍なんでございますね。
あぁ、だから田中好み。
モチーフは、チューリップやらアーティチョーク、ザクロなんかの花を半分にぱっさーって切ったような感じでして、ブドウの葉やら野ばら、つる草なんかが象徴的ですね。
大きな花を配置して、つるを巡らせ、小さな花を散りばめた感じが多いのでございます。
白地にインディゴ、深紅、深い黄色なんかの糸を使うのが伝統的。

出展:El Taller de Mamá Julia
以前はと言いますと、各家庭で手作りされたキャンバス地に刺繍が施されておったわけです。
あとは、マヨルカの伝統衣装の装飾、女性がかぶるベールの縁取りとして使用されることが多おございました。
また、男性が刺繍をすることも一般的だったんですねぇ。

マヨルカ刺繍のステッチ
はい。マヨルカ刺繍に施されるステッチはと言いますと、チェーンステッチ。
まずは絵柄の輪郭にチェーンステッチをですねぇ、かぎ針で施すわけでございます。
後は、サテンステッチで内側を塗りつぶしたり、ヘリンボーンやクロスステッチを使うのが一般的ですな。
サテンステッチは、色を替えながらグラデーションを出したりですねぇ、するわけでございます。

へぇへぇ。単色の方が、何かとアラが目立たずにいいですな。
出展:El Taller de Mamá Julia
色は同色を使うことが多いんですけど、余り糸を使ってカラフルに仕上げられたものもマヨルカっぽいですね。
マリアの家には、マヨルカ伝統のワンシーンを再現した刺繍やら、果物、ミモザなんかの刺繍が額に入れて飾られておるわけです。
義姉作ミモザ 借りパク状態
テーブルクロスとして使われる他、インテリアとしても十分見ごたえがある作品に仕上がるわけでございます。
マヨルカ刺繍の基本
マリアが作ってくれた大判テーブルクロス
マヨルカ刺繍の基本は、1色でステッチされることも多いんですが、同色を数色使用する場合は、濃い色からステッチを始めます。
インディゴ⇒コバルトブルー⇒スカイブルー⇒白
みたいな感じですな。
サテンステッチを施す場合は、チェーンステッチの色と同色、もしくはそれよりも薄い色を使用しまする。

メリハリ?
チェーンステッチをするときのポイントは、緩め。
最初はどうしても、布が引っ張られた感じになっちゃうんですね。
なので、心持ち緩めにステッチしていくと、後からどうにでもなるってパコが言ってました。
あ、パコ?
こちら、右:パコと左:トメウ。

ちゃうわ。
マヨルカのお祭りで、マヨルカ刺繍の露店を出しているおじいたち。
何回か見かけたんですが、この前意を決して話しかけてみた次第です。
マヨルカ刺繍は頑張らない!
パコおじいとトメウおじい、店舗は持たずにマヨルカ全土の祭りに露店を出展する、マヨルカ刺繍のプロ。
露店では実演しながら、作品や下絵を販売しております。
パコ:あら、あんたマヨルカ刺繍始めたん?やるやんかいさ。
田中:うん。やってる!やってる!
パコ:あんな、極意教えたるさかい、耳かっぽじってようお聞き。
田中:あざーす!
ご子息向けにキャラクター刺繍を見せてくれた図
パコ曰く、
根詰めてどないすんねん。1日少しずつでええから、気晴らし的にやり。
誰にあげるわけでもないんやろ?あんたが、あんたのためにやるんやろ?
やったら、誰にも迷惑かからんさかい、適当に、な。
少しずつやってたら、いつかは完成する。それで、ええやん。
とにかく、とりかかれば心が燃え上がるし、続けていれば仕事は完成する。by ゲーテ
詩人か?
マヨルカ刺繍の極意は、優しさにあったのだ。
トメウ:これな、わてらの電話番号。いつでも連絡しておいでな。
パコ:教えることはせーへんけど、見て学びや。
田中:・・・・。また、惚れてまうやろ!
ここで天然(だんな)がまた、いらん一言。
天然:田中、日本人だから。
パコ・トメウ:あー。じゃぁ、ねぇ。(にやり。)
な、なに?この日本人全部器用ですけど発言。勤勉民族発言。土日も働きますよ発言。
日本の皆様に恥ずかしいわ。
と言うことで、早速WhatsAppで2人の写真とありがとうメッセージを送信。
パコ:がんばってな。進み。
マヨルカ人って、このアホサイトのアホキャラクターたちとは、ちょっと違う感じなんですよ。本当は。


基本、パコとトメウみたいに、大らかで褒め上手。
マリアもこのサイトではキーキー言ってますけど、本当の隣人マリアはいつも笑顔の気遣い上手なポジティブおばあ。
あ、天然は脚色一切なしの、このままです。
マヨルカ人、家族の集まり以外は、強制や強要はしないんですね。
まぁ、家族の集まりってのも、伝統的風習と言いますか、ラテン家族の特徴でありまして。
ゴッド・マザーに付き従う下々。みたいな。
ま、ゴッド・マザーが一番、家族のためにあくせく働いておるんですがね。
話し方も、スペイン本土特有の、こうアグレッシブなマシンガントークではなくて、穏やかで靴下口に突っ込んだような話し方なんでございますよ。

あ、また話ずれた。
田中、マヨルカ刺繍ボチボチ前進中。この模様は、スピンオフサイト、アメブロの「マヨルカすんでる!」で後日お届けしたいと存じます。
掛けてはもらえぬテーブルクロスを、寒さこらえて編んでます。女~心の~。

パコじい、トメウじいは、来年初めまでパルマのクリスマス市で出展中。
良かったら、話しかけてみてください。あったかくなれますよ。

あんた毎日幸福やんか。