はい。エンサイマダ。
マヨルカ島伝統の食品と言えば、名物ソブラサダと並び島民が愛してやまない民族食、エンサイマダ。
今回は、そのマヨルカ島民の愛の結晶とも言うべきエンサイマダを、田中が作ってしまおうというギリギリの企画でございます。
悲しみを背負った者のみが成しうる、マヨルカ究極奥義エンサイマダ。
一子相伝の奥義をとくとご覧あれ。って、2回ほど作ったら何とな~くできちゃった。
アルサモラ家義母より相伝(手書きのレシピもらった)、アルサモラ家奥義エンサイマダ神拳(電話で何となーく聞いた)のご紹介。
マヨルカ名物エンサイマダの作り方!大公開!!
今回のお題目
マヨルカ名物エンサイマダを作ろう!~世紀末救世主伝説
199X年、マヨルカは観光客減少の炎に包まれた!海は汚れ、地はホテルだらけ、全ての観光資源が死滅したかのように見えた。
だが、マヨルカ住民は死滅していなかった!
はい、こんにちは。田中シロウです。今回は、アルサモラ家の家族LINEで相伝された、母リュウケンによるエンサイマダのレシピをご紹介してみたいと思います。
エンサイマダ神拳継承者候補はこの3人
長女:最強の不思議天然
次女:医療現場で働く聖人
息子の嫁:ご存じ田中
と言うことで、いってみましょう!3分じゃ絶対できないマヨルカクッキング「怒涛のエンサイマダ編」!
まずはエンサイマダの材料から~ここ重要
奥義習得のために必要なものは、材料。
これ、日本だと揃えるのが結構大変だと思われます。
実際、マヨルカ以外で食べるエンサイマダって、なんか違う・・・って感じるのは材料が違うからなんじゃないかと思われます。
べしょーっとしてて、しっとり?油っこいパンかよ!って言うのは、そもそもエンサイマダと語ってはいけません。
作りやすい分量?直径30㎝エンサイマダ2個分
強力粉:500g
砂糖:125g
水:125g
卵:3個
生イースト:25g
ラード:300g
書いちゃえば、なんだー。揃うじゃん。って思えるんですけども、ここで重要なのは小麦粉とラードです。
小麦粉は、マヨルカ産の物が手に入れば全く考える必要がないんですけども、そんなもん手に入るわけないですよね?
マヨルカ小麦粉の成分を調べてみたんですけども、見つからず。
まぁ、触感的にはクロワッサンを目指せば何とかなるかと思うので、強度、弾力性と粘り強さ、たんぱく質の割合を調べてもらったらですね、いいかと思います。
マヨルカ強力粉に書いてある100gあたりの成分表を一応
エネルギー: | 352 Kcal / 1490 KJ |
脂肪: | 1.26 g |
飽和脂肪酸: | 0.169 g |
炭水化物: | 74.1 g |
糖分: | 2.17 g |
タンパク質: | 11 g |
塩: | <0,0125 g |
エンサイマダって材料を見てもらうとわかるように、かなり脂肪分が多いんですわ。脂肪が多いとグルテンが弱まっちゃうわけです。
そんでもって、生地をびろーんっと向こう側が透けるまで伸ばす必要があるんですね。
それに耐えられるだけの強度がある小麦粉を選ばないとヤバい。という感じです。
あとは、ラード。スーパーで売ってるラードを使ってしまうと、悲しい感じになると思われます。
マヨルカでは、マタンサスという豚のとさつを行った時に取れた、新鮮なものを使っています。(あ、家族でやってまーす。)
ここがネックですよね。新鮮で良質な無添加ラードが手に入ったらいけるんじゃないかと思われます。
ちなみに、バターやショートニングで代用するのは絶対NGです。ノーグッドです。別もんになってしまいます。
ジャギやらアミバと言った感じですね。
生イーストですけども、田中ドライイーストでやってみたんですけど、ドライでもギリッギリNGです。この分量でドライイーストだと10gですな。
欠点としては発酵時間が長くかかってしまうということ。エンサイマダはただでさえ発酵時間が長いのに、さらに長くするのはどうかなぁ。
これだけ揃えば、なんとなーくエンサイマダチックなものができるのでは?と思われます。
エンサイマダ伝承への道~所要時間1日以上
はい。もう挫折感が漂う所要時間。エンサイマダを作るのに、1日以上かかるってどういうことやねん!
ちなみに、これ、相伝されたレシピには何も書かれてなかったんですけどもね。
あ、ちょっと愚痴いいですか?相伝レシピには分量、しっかり混ぜる、指を突っ込む。焼く。しか書いてなかったわけなんですよ。
そんなんでできるか!!簡易伝承にも程があるわ!!
そんなわけで、まぁなんとなーくこんな感じじゃね?って1回目は作ってみたんですけどもね。
まぁ形にはなったものの、エンサイマダの味はするけど、食感ちがうわな。と言う代物に仕上がってしまいまして。
でしょ?エンサイマダって作るものちゃいますよね?買って食べるもんですよね?ね?
マヨルカ島民でも、作ったことある人って超少数なんちゃいますの?
て、てめえらの血は何色だぁああ!!
と言うことで、田中は第2回チキチキ「エンサイマダ・リベンジ」に取り掛かったわけでございます。
エンサイマダの作り方~アルサモラ家秘伝レシピ
まぁ、言うてもですよ。ここまでで大事な事ってそんな書いてないんで、こっから読み始めていただいていいんですけどもね。
あ、田中。面倒くさがりなんで、一回失敗したら二度と作らなかったりするんですけども、今回は特別ですね。
それほどエンサイマダへの執着が強いってことでして。つまりは、単純に君のこと好きなのさ。なんですね。
はい、と言うことで、やれるだけ頑張ってみることにします。
生地をこねていこう:ま、機械がやるんだけど
まずは、卵一個を割りほぐし、その中に分量の水とイーストを入れて15分~30分ほど放置。
ラード以外の材料をぶち込んで、ホームベーカリーのスイッチオン!「捏ね」だけ行ってくださいまし。
田中シロウ、こう見えて持病の腱鞘炎がですね。ゴホッゴホッ。
もちろん、第63代伝承者、母リュウケンは手ごねですけども。手ごねの場合は、最初がめちゃめちゃベタベタしてますんで、嫌にならないように気を付けてください。
手ごねの場合は30分くらい捏ねちゃえばいいと思います。
ちょっとオイルを塗ったボールの中に入れて休ませます。うーん。大体1時間くらいですかね。
で、ほあたーっ!っと突いてみて、秘孔(あ、生地)が戻ってこずに穴が開いたままだとOK。仕上がっております。
うぬごとき、指一本で十分だ。
エンサイマダ究極奥義「伸ばし」
これが、材料と同様にエンサイマダを作る、重要奥義だと思われます。
母リュウケンからの助言は「破れることを恐れるべからず」
「あやまった人間が伝承すれば、エンサイマダは滅びるじゃろう・・・」
はい。伸ばして参りましょう。
あ、必要なものはですね。でっかいテーブルでございます。
田中シロウ家に油まみれになっても大丈夫そうなテーブルが、これしか見当たらなかったので、こともあろうか直径90㎝にも満たない円形のテーブルを使ってしまいました。
できれば、150㎝以上の長方形テーブルをご利用ください。
まずは、エンサイマダの生地を2等分にして、オイルを塗ったテーブルに広げます。オリーブオイルがいいですなぁ。
ある程度まで伸びたら、分量の半量のラードを塗り、薄~く伸ばしていきます。
サガミオリジナルとか目じゃないですね。
母リュウケン曰く、破れても気にせず伸ばせとのこと。持ち上げてヒラヒラさせながら、グイグイ伸ばしていきます。
薄すぎて、テーブルが透けて見えてますな。もう、テーブルが足りないので、テーブルから生地がはみ出して垂れ下がってる状態になってしまいました。
くれぐれも、大きなテーブルで。
と言うことで、ここまでが伸ばしの作業です。あ、奥義です。
はい、究極まで伸ばした生地を、クルクル~っと巻いて参ります。
これでも、まだ生地が分厚いと思われます。テーブル足りねぇ。
こんな感じに巻き終わりました。
このまま、布巾でもかけて30分ほど休ませます。
心霊台を突かれてハゲ散らかしとんのかい。
エンサイマダを形作る渦巻
ちっちっちっチーン!はい、30分経ちました。
巻いた生地をグイグイ伸ばしていきます。結構強い。
1.5倍以上の長さに伸びると思います。グイグイいってください。
あ、手ブレ。
その生地をひょいっと蛇を手首に巻き付ける感じで持ちますね。
首を持っていれば大丈夫ですよ。両顎あたりだと安心ですね。あ、しっぽを持ち上げても大丈夫です。
エンサイマダ毒持ってないし、大丈夫ですって。
はい。ぐるぐると巻いていきます。
この時、膨らむことを想定して、間隔を開けながら巻いて参ります。
やっとエンサイマダっぽい形になってきましたな。
はーい。巻き終わりました。
これから、大放置大会が始まります。オーブンの中に入れて、15時間から18時間放置でございます。
オーブンはいじらないように。常温のまま放置です。23度くらいの気温だと丁度いいかなぁと思いますけどね。
長いでしょ?長いでしょ?待つの長いでしょ?
歌わんでええです。
焼き:紅蓮の炎で焼き尽くせ
はい。どーん!!18時間放置したものがこちら。
ドライイーストでやっちまったので、かなり微妙な状態ですけども、ちょっと大きくなった感じですかね。
できれば生イーストがいいですなぁ。
オーブンから取り出し、オーブンを180度で温めておきます。
オーブンにもよるんですけど、180度プラスアルファ。で、20分~30分以内で焼き上げます。
ってことでチーン!
どうにか膨らみました。
冷えたらアイシングシュガーをザザーっと振りかければ完成!
なんですけど、天然(旦那)とご子息が「朝ごはんまだ~?!」と、断末魔をあげておりますのでカット。
あー。やっぱり内側の膨らみが足りないのと、生地厚過ぎ。
次回は、生イーストで生地を3等分にして3エンサイマダでリベンジです。
これを、朝からですね。ホットチョコレートにべっしゃーっと浸して食べる親子。
正に世紀末ですよ。イカれた時代へようこそ。
ちなみに、第63代伝承者、母リュウケンによるエンサイマダがこちら。
魔法の粉かけすぎやろ。こちら、編み込むタイプのエンサイマダでございます。
と言いますか、母リュウケンも乙女の時以来、久しぶりに作ったとのことでしてね。
50年以上ぶりかよ!!
継承者候補、聖人次女のエンサイマダがこちら。
うまいことできてやがる。田中シロウ、後継者ヤバいなぁ。あの時シェルターにさえ入れていれば、きっと義姉さんが・・・
しかしながら、お気づきだと思われますが、エンサイマダのラードの量。
オーブンで焼いているとですね、底の方で油がピチピチと水たまり(油たまり)を作っておりましてね。
カロリー計算をしてみるとですよ・・・
1エンサイマダあたり2000kcal・・・・
カロリーになると、急に連携してきやがるマヨルカ住民ども。ら・・・ラード・・・ラードォォォ!!!
と言うことでございまして、我がエンサイマダに一片の悔いなし!!と言えるまでは、まだまだ遠い修行の日々なのでございます。
~追記 3度目の正直~
田中、エンサイマダ神拳伝承者に一歩近づく。
どうでしょう?この美しいエンサイマダフォルム。
何が改良点か?それは、ドライイーストを生イーストにしただけでございます。
やっぱりレシピは忠実にでございますな。
動画で作り方を紹介しています。良かったら、「いいね」やチャンネル登録よろしくお願いします。
お前はもう、食べている。